国産食品なのに“安全”と評価されない!?

公開日:2019.1.11

更新日:2019.1.11

国産食品なのに“安全”と評価されない!?

多くの人が安全と考える日本の国産食品。ところが海外の人は必ずしもそう評価しないとか。
世界の安全基準が進むなか、大きく遅れを取っている日本。
今回は、“からことのイモト”こと体当たり編集部員が、アメリカの果てまで行って見てきた「食品の国際的な安全衛生基準」についてレポートします。

選手村で日本産野菜を出しても食べてもらえない?

「世界では必ずしも『日本の食品は安全』とは評価されません」。そう言うのは、スポーツ栄養学に詳しいジャーナリストの継田治生さん。2020年の東京五輪では選手村で国産野菜を提供できないのではないか、と懸念する声さえもありました。
「理由は、日本食品が『安全性の目安となる世界基準の認証』を取得していないことが多いからです。日本人は認証の有無をあまり気にしませんが、世界では認証を取得していないと安全ではないとみなされます」と継田さん。世界基準の認証とは、例えば農作物ならG-GAP(グローバルギャップ)、サプリメントならcGMPなどがあります。こういった認証を取得しないと、食品を輸出できないことも!
 日本とは違い、厳格な基準と認証制度を設けて食の安全を守るのが国際社会の潮流。具体的にどのような基準があり、どのような取り組みが行われているか、取材しました。

これが世界だ! 農業とサプリメントに見る安全基準

食品の安全性確保や品質保証などのためにあるのが、GAPやGMPなどの認証基準。中でも国際的に信用されている厳しい認証基準がG-GAPとcGMPです。その2つについて詳しく見ていきましょう!

農業基準“GAP”

 (3451)

GAPとはGood Agricultural Practice(農業生産工程管理)の略。農業の生産過程に細かく基準を設けています。GAPにはG-GAP、J-GAPなど種類が多くあり、審査項目数や認証機関、基準の厳しさが異なります。
《G-GAPとは?》
●国際的に普及するGAPの一種(頭のGはGlobalの略)
●200以上の審査項目数(水質調査、土壌管理など)
●一年ごとに審査あり
●認証取得者数は世界で19万

サプリメント基準“GMP”

 (3452)

GMPとはGood Manufacturing Practice(適正製造規範)の略。サプリメントなどの製造過程のルールです。これにも種類があり、アメリカが採用するcGMPと比べ、日本が推奨するGMPは非常にゆるい基準となっています。
《cGMPとは?》
●アメリカで採用されているGMP基準
●法律により、義務化されている
●基準を守っているか審査がある
●異物混入を防ぐ金属探知機の設置、成分が体内で溶けるかの試験など、審査項目が多い

五輪にはもう間に合わない!? 取り残される日本の現状

五輪の選手村で提供する食材には、選手の安全を守る等の理由で基準が設けられます。2020年東京五輪の調達基準にはGAPが採用されそうですが、残念ながら日本での取得者数が少ないGAPは義務基準とならない見通しです。もっとも、東京五輪には間に合わないかもしれませんが、「HACCP(ハサップ)」が日本でも制度化されることになりました。これは世界的に重要視されている衛生上の安全基準で、内容的にGAPと重なるところもあります。

日本のG-GAP認証農家の割合

 (3458)

日本でG-GAP認証を取得している農家の数は、2018年でたったの約600!日本の農家数が約215万戸(2015年度)であることを考えると、ごくわずかです。

※農林水産省「農家に関する統計」および、一般社団法人GAP普及推進機構「日本における認証生産者の総数」より。

アメリカの森の奥まで行ってきた! 最先端の“安全”な農法&サプリメント製造

アメリカの最先端では、食品の品質をどのように保っているのでしょうか? G-GAP&cGMPの両方の認証を得ている、アメリカ・ニュートリライト社のトラウトレイク農場とサプリメント工場を視察してきました。

[GAP]G-GAPとcGMPを満たすトラウトレイク農場

 (3499)

ここではサプリメントの原料を作っています。
種に番号がふられ、どの種がどの作物・どの製品になったか追跡できます。異物混入や不良品などの問題を防ぐための工夫です。

[GAP]化学合成の農薬は不使用

G-GAPでは厳しい制約の下で農薬を使います。
ここは有機農場なので化学合成の農薬は不使用。テントウムシや鷹で害虫・害獣を駆除します。

[GAP]水質を管理

 (3455)

作物に近いところで水を採取、研究所へ送ります。
大腸菌などで汚染されていないかチェック。
 (3502)

[GAP]不要物を取り除く

 (3454)

収穫物は農場で乾燥させたのち、根っこや木などの不要物を除去。ネジ等が混ざらないように、コンベヤの一部がマグネットとなっています。
 (3505)

[GMP]異物混入を防ぐ

 (3453)

運ばれた農作物はここでサプリメントに。工場の一部の区域には、異物混入を防ぐため、キャップや白衣などを身に着けないと入ることができません。

[GMP]品質を確保

 (3456)

製品がバクテリア等に汚染されていないか検査するラボ。精密に調べ、品質を確保しています。

品質が保証されたサプリは五輪の選手も安心!

口で弓を引く、パラアーチェリーの大塚忠胤(ただつぐ)選手(日本アムウェイ所属)は、ここで作られるサプリ「トリプルX」を愛用中!スポーツ選手は特に、ドーピング違反とならないためにもサプリの安全性を重視します。
 (3457)

(からだにいいこと2018年12月号より)