ストレスサインを無視せず、「心の休息」を取り入れた働き方を

公開日:2019.4.22

更新日:2019.11.7

ストレスサインを無視せず、「心の休息」を取り入れた働き方を

「働き方改革」といっても、仕事を減らすのは難しそう……。そう思っている女性も多いはずです。職場と家庭で、自分の中でできる「働き方改革」を少しずつ始めれば、心にゆとりが生まれます。ストレスを上手に解消しながら、健康で長く働ける生活を始めましょう。

この記事の監修

大野萌子さん

日本メンタルアップ支援機構 代表理事。メンタルアップマネージャ®、産業カウンセラー。企業の健康管理室カウンセラーとして、数多くの働く人を支えている。長年の経験を活かし、人間関係改善のコミュニケーション術やストレスマネジメントについて、講演・研修などを行う。

仕事と家庭。現代女性は、どちらもがんばりすぎ

働く現代女性は、毎日“フル稼働”ですよね。職場では、年齢を重ねるにつれて重要な仕事を任され、まじめな人ほどなかなか仕事を断ることができません。

家庭では、仕事以外の残りの時間で家族に関わるすべての家事をこなし、どうしても男性より負担が多くなりがちです。最近は、子育てに積極的な“イクメン”パパが増えましたが、細部まで家族へ気配りができるのはやはり女性。家族全員の超優秀なマネージャーを務めている女性も多いのではないでしょうか。

そんな忙しい毎日を送る女性たちは、がんばりすぎている人が多いと感じます。女性の体は、毎月バイオリズムがあり、心と体の調子がいいときもあれば、悪いときもあります。だからこそ、無理のある働き方は長続きしません。この先何年も健康で仕事をしていくためにも、自らの健康に常に目を向けて、がんばりすぎない働き方を早めに見つけることが大切です。
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寝ても取れない疲れは「メンタル疲労」

多忙な女性たちの多くが、「なかなか疲れがとれない」と感じています。肉体的な疲労は、十分な睡眠を取れば解消します。寝ても取れないしぶとい疲労の正体は、実はストレスによる「メンタル疲労」なのです。

職場での人間関係によるストレス、家庭でのコミュニケーション不足によるストレスなど、みなさんも心に溜まっていませんか? 蓄積したメンタル疲労をがまんしたり放っておいたりすると、慢性的な不調や病気につながる場合もあります。
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「ストレスサイン」は、心のアラーム!

例えば血圧や体温は、測定する機器がありますが、ストレスは明確に測定するのがなかなか難しいもの。ここからは体や行動に現れやすい、初期の「ストレスサイン」をご紹介します。こうした「ストレスサイン」は、“もう休んで”という心からのアラームです!

●ふとした心配事が増える

家を出たあとに「カギ閉めたかな?」、布団に入ったあとに「コンロの元栓閉めたかな?」など、いつもなら気にならないちょっとしたことが心配になるのは、ストレスサインの一つ。心のタンクがいっぱいになっている証拠です。いつもと違うことが心配になったら、自分の負担を減らしたり、スケジュールを見直したりしましょう。

●胃腸の調子が悪い

ビックリすると心臓がドキドキするように、心と体は必ず連動しています。内臓の中でも最もストレスが表れやすいのが「胃腸」。ふだんは大丈夫なのに、胃が痛い、ムカムカする、食欲がない、下痢が続くなど、胃と腸が弱ってきたら要注意。内臓の調子を整えるためにも、早めに心のケアを。

●眠れない、寝つきが悪い

心の不調でカウンセリングを受ける人の多くが、睡眠の悩みを抱えています。眠りが浅い、寝つきが悪い、途中で目覚めてしまう、朝早く目覚めてしまうといった睡眠の悩みはストレスが関係していることも。眠れないときは無理に寝ようとしないほうが、心が楽になります。

●頻繁に手を洗いたくなる

潔癖体質ではないのに、頻繁に手を洗いたくなる行動もストレスサインの一つといわれます。1日に何回も手洗いをする、誰かが触ったものを拭きたくなる、なんでもアルコール消毒したくなるなどがそのサイン。爪を噛むのと同じで、抱えきれない心理的ストレスが、こうした行動で現れます。

ストレスを溜めない「働き方」と「心の休め方」

最後に、ストレスを溜めないで元気に働くための上手な「働き方」や「心の休め方」をご紹介します。

1、仕事は自分だけで抱えない

重要な仕事を任せられるようになると、つい張り切ってしまうもの。それを続けてどんどん仕事を受けていると、心と体がパンクしてしまう場合も。手伝ってくれる人がいれば素直に甘えて手伝ってもらう、自分でなくてもできる仕事は人に任せるなど、どんどん人の手を借りましょう。
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2、仕事を休む=悪ではない

「仕事を休む=悪いこと」と思っている人も少なくないようですが、そうではありません。有給休暇や半休などを使って、上手に休みを取り入れましょう。家族と出かけるための有給ではなく、自分のためだけに有給を取ってもいいでしょう。休みやすさは職場にもよると思いますが、休みをもらったら周りの人にお礼を伝えるなどコミュニケーションを大切に。

3、自分にとって、今最も重要なことを優先する

女性は、出産や子育て、介護など、周りの人とのかかわりで、価値観が大きく変化していくもの。それぞれのライフステージで、今の自分にとって一番大事なことは「仕事」なのか「子育て」なのか? 自らに問いかけ、最優先事項に力を注ぎましょう。優先事項が2つも3つもあると、ストレスで心が疲弊する原因になります。
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4、本音を話せる相手と場所を持つ

家族でも友人でも職場の同僚でもいいので、今自分が思っていることや感じていることなど、本当の気持ちを話せる場所と相手を持ちましょう。人に話すことで、自分自身の心が整理整頓されて、抱えていたモヤモヤやストレスが晴れていきます。「疲れた…」と感じたときほど、周りの人に想いを話して言葉にしてみてください。

5、30分でもいいので「自分時間」を持つ

一日フルで仕事をして、急いで帰り夕飯を作る。そんな女性も多いと思います。ストレスを溜めないためには、1週間に30分だけでもいいので、自分のための時間を持ちましょう。仕事帰りにおいしいカフェに立ち寄る、休日の数時間だけ家族と離れて過ごすなど、短くても自分の心を満足させる時間が、究極のリラクゼーションになります。
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6、心が固まっているときは、体からほぐす

嫌なことが続いて心が乱れているときは、何をやってもリラックスできないもの。そんなときは、体のストレッチがおすすめです。心と体はつながっています。心がほぐれにくいなら体からほぐしましょう。ウォーキングやヨガなど、好きな運動があれば何でもOK。体を動かすと気分が明るくなります。
仕事や家庭の負担を、急に減らすのは無理なこと。このように、自分ができる範囲で「働き方改革」を始めてみると、生活にゆとりが生まれて、心も幸せを感じやすくなりますよ。