暑くてフラフラ、しんどい…今年は「マスク熱中症」に注意!

公開日:2021.6.3

更新日:2021.6.4

暑くてフラフラ、しんどい…今年は「マスク熱中症」に注意!

夏のマスク生活で、頭がボーッとすることはありませんか? 気を付けて欲しいのが「マスク熱中症」のリスクです。医師がおすすめする熱中症対策をご紹介します。

この記事の監修: 野崎豊さん

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ノザキクリニック院長、日本小児学会専門医、日本東洋医学会名誉会員、漢方専門医、臨床内科医会専門医、認定産業医。日本体育協会公認スポーツドクターとしても活躍。

健康でも熱中症になるのはなぜ?

いつも元気なはずなのに、気温が上がると急にフラフラしたり、体温が下がらずに気分が悪くなったりしたことはありませんか ?夏のそのような症状は、熱中症かもしれません。

熱中症は、体内に熱がこもることで引き起ります。体内にこもった 熱は、血流をアップしたり、汗をかいたりすることで、体の外に放出される仕組みになっています。しかし、気温や湿度が高いと、汗をたくさんかいても熱を上手に外へ逃がせなくなり、体内の水分やミネラルのバランスが崩れたり、体温を調節する機能が乱れたりして、熱がこもってしまうのです。
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実は、熱中症のほとんどが室内で夜間に起きています。おうち時間が増えた2020年の夏は、室内で熱中症にかかった人が続出しました。
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東京23区・熱中症死亡者数(2019年6~9月)/出典:東京都福祉保健局
家の中には、日中の日差しで壁や天井に蓄えられた熱が、夜に放射熱となって流れ込んできます。そのため、炎天下の日は夜になっても室温が下がらず、家の中でも激しい暑さが残ります。特に、壁がコンクリート造りだと、より熱が冷めにくい構造になっています。

さらに、冷夏であっても熱中症が起こる可能性はあります。涼しい日が続くと体が暑さに慣れないため、急に気温が上がったときに対応できず、熱中症になりやすくなります。

6~8月は気温がぐんぐん上昇します。夏本番を迎える前から熱中症対策をしっかり行いましょう。熱中症の主な症状は、体温上昇やめまい、体のだるさですが、けいれんや意識障害などが現れることもあり、ひどい場合は死に至る恐れも。

また、体温調節機能が未発達の赤ちゃんや子ども、暑さを感じにくく、体温調節や発汗機能が低下しているお年寄りが家族にいる人は、注意が必要です。

体温上昇する⁉「マスク熱中症」とは?

今年の夏もマスクは手放せませんが、息苦しくなり暑い日にボーッとしてしまうことも。もしかすると、マスクの着用によって引き起る「マスク熱中症」の可能性があります。

マスクをつけると熱がこもりやすくなり、体温が上昇します。さらに、口の中が湿ることで喉の渇きを感じにくくなり、水分補給を怠りがちに。夏のマスク生活では、感染症から身を守りつつ、熱中症にも気を付ける必要があります。
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「マスク熱中症対策」3つのきほん

ここからは、基本的な3つの熱中症対策についてご紹介します。

(1)「汗かきトレーニング」で防ぐ

熱中症は、徐々に体を暑さに慣らす「暑熱順化(しょねつじゅんか)」で防ぐことができます。「暑熱順化」のためには、汗腺を鍛える「汗かきトレーニング」で上手に汗をかける体にしていきましょう。

人は汗をかくことで体温を調節しています。しかし、冬に汗をかく機会が少ないと、汗腺機能が低下し、夏になると、うまく汗をかけない体に。そこで、発汗を促すために自律神経の反応を高めて、汗腺の働きを活発にすれば、 体温の上昇や体内のミネラルバランスの乱れを防ぐことができます。

「暑熱順化」には数週間かかるため、暑さが本格化する前から、汗かきトレーニングを行いましょう。
【おすすめの汗かきトレーニング】
●冷房依存を防ぐために室温を調整する
冷房の設定温度を高めにしたり、朝と夕方の涼しい時間帯に換気したりして、室温を調整しましょう。冷房の効いた部屋でずっと過ごしていると汗をかくことがありません。そのため、冷房に依存しすぎないようにする習慣が大切です。
●運動や入浴で汗をかく
運動や入浴で汗をかきましょう。運動は、ウォーキングやジョギングなどで、30分くらい体を動かすことが目安です。
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運動をする時間がなかなか取れない人は、ゆっくり入浴することをおすすめします。40~41℃の湯船にゆっくり10分程度浸かり、体の内部の「深部体温」を約1℃上げると、じんわり汗をかくことができます。
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汗かきトレーニングをして暑さに順応できるようになると 、たくさんの汗をかくため、脱水症状に気をつけましょう。こまめな水分とミネラルの補給が重要です 。また、水分とミネラルを十分に補給すれば、血液の循環量が増えて、汗がかきやすくなり、「暑熱順化」がもっと進みやすくなりますよ。

(2)水分だけではなく、ミネラルも摂る

体内の水分を奪うのは、汗だけではありません。人間の体は、皮膚や呼気からも水分が失われます。このとき、水分だけでなくミネラルも一緒に補給しなくてはなりません。

ミネラルは、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンと並ぶ5大栄養素。体の調子を整えるために必要な栄養成分です。ミネラル不足になると 、疲れやめまい、動機などを引き起こします。また、体内で は作れないため、食べ物や飲み物からこまめに摂りましょう。

(3)「点滴飲み」で水分とミネラルを補給

熱中症対策に欠かせない水分とミネラルの補給には、どちらも含んだ飲み物をおすすめします。飲むとき、 一気に飲むのではなく、少しずつ継続して飲む「点滴飲み」を。 熱中症は、発症する数日前からの水分やミネラル不足です 。そのため、一気に補給しても、血液内に吸収されたときにしか効果がありません。1時間にコップ1杯程度を飲んで、ゆっくりと体内に染みわたらせましょう 。
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また、水分 とミネラルが不足すると、血液がドロドロになり、高血圧や血栓の原因に。これにより、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす場合もあります。特に、汗をかきやすい夏は汗により体から水分が奪われて「夏血栓」になる恐れも。夏は「点滴飲み」で水分とミネラルをしっかり補給して、サラサラの血液をキープしてください。

熱中症対策におすすめの飲み物は?

それでは、水分とミネラルを一緒に補給できる飲み物をご紹介します。体調や生活シーンに合わせたおすすめをご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
●ミネラル入りむぎ茶または水
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日常的な熱中症対策や軽い運動の後におすすめなのが、適度な塩分とミネラルを含み、糖分が入っていないミネラル入りむぎ茶や水。普段汗をかいたときには、これを飲みましょう。
●スポーツドリンク
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大量に汗をかいたときは、スポーツドリンクがよいでしょう。ただし、エネルギー消費量があまり高くない大半の人には糖分が多すぎるため、一過性の糖尿病や肥満のリスクに。
●経口補水液
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経口補水液は塩分が多いため、熱中症予防のために自己判断で飲むと、塩分の過剰摂取につながることも。脱水症状に陥ったときに医師から食事療法として指示された場合は、飲んでOKです。

ミネラル入りむぎ茶が血流アップと体温下降に効果あり

日常的な熱中症対策の飲み物として おすすめのミネラル入りむぎ茶。ミネラル入りむぎ茶には、血流改善効果があり、水分とミネラル不足でドロドロになった血液をサラサラにします。

健康な男性22~23名にミネラル入りむぎ茶と2種類の一般的なむぎ茶を飲んでもらい、一定量の血液が流れる時間を測る実験を行ったところ、ミネラル入りむぎ茶を飲んだ後の血液の流れが最もスムーズになったことが分かりました。
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赤穂化成調べ
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赤穂化成調べ
また、ミネラル入りむぎ茶には体の余分な熱を奪い、体温を低下させる効果もあります。しかし、体を冷やし過ぎることがないため、冷えに悩む人も安心です。ミネラル入り麦茶を飲んだ後に体温を測った実験では、腹部や胸部の体温が1.7℃下がりましたが、冷えやすい手先に変化はありませんでした。
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赤穂化成調べ
今年の夏も、マスクの着用は必須。「マスク熱中症」 に注意しながら、感染症対策を行いましょう。熱中症予防は、本格的な夏に入る前から。熱中症に負けないために、汗かきトレーニングで少しずつ暑さに体を慣らしたり、日常的にミネラル入り麦茶を「点滴飲み」 したりして、今のうちから準備していくことが肝心です。