この記事の監修:ジョン・ムーアさん
土壌のバクテリアは冬も働いている
それは、「土の中」です。冬の植物は静かに春が来るのを待っているだけではありません。春に備えてエネルギーを蓄えているのです。植物は、内側へ内側へと力を集めます。木の幹から根へ、根はさらに下へ。深く深く、土の中を張りめぐります。そして、根のまわりの微生物と虫たちが協力して、植物に栄養とエネルギーを集めてくれます。
土壌のバクテリアは生命力にあふれた土をつくります。バクテリアたちは栄養たっぷりの土をつくり、バクテリアは植物の根から栄養素を受け取ります。しかし植物とバクテリアは友達ではありません。「共生関係」です。片方が死ねば、もう片方も死ぬという、お互いがいないと生きていけない関係なのです。このやりとりは、とても小さくて、ゆっくり。根のまわりのバクテリアが1平方センチメートルの土をつくるのに、100年くらいかかります。自然界のスローフードは、これくらいゆっくりのスピードなのです。
そして、本物の土は多様な生物の命に満ち溢れています。1平方センチメートルの表土の下には、数千キロメートル生きたネットワークが張りめぐらされています。微生物やバクテリア、菌類、根が土の中でつながり、エネルギーを生み出し蓄えているのです。このネットワークが、春に芽吹き、花を咲かせる力を支えるエネルギーなのです。
命はいつも命から生まれます。人間の目では、地球上の生命体の大半は見ることができないでしょう。見える世界でさえ、限られた光のスペクトルの範囲でしかないのです。見えないものは、見えるものをつくります。目に見えないバクテリアが私たちの食べ物をつくり、植物は光をエネルギーへと変換します。では、光はどこから生まれたのでしょうか? 冬の一日、見えない世界を感じ、命のつながりを想像してみませんか?
ジョンさんからの一言
ジョンさんがアンバサダーを務めるオーガビッツとは?
orgabits
