病気がドンドン悪くなる!? 危ない「薬のカジュアル飲み」

公開日:2019.6.10

更新日:2019.6.10

病気がドンドン悪くなる!?  危ない「薬のカジュアル飲み」

「薬のカジュアル飲み」とは、気軽にてっとり早く症状を押さえ込むこと。薬を盲信せず、効果や副反応を見極めて上手に使いましょう。薬の性質や薬に頼らない改善方法を紹介します。

体が発するサインを無視しないで!

「薬の目的は一時的に症状を抑えること。治すものではありません。」と話すのは、薬剤師・栄養学博士の宇田川久美子さん。そもそも症状は体が発するサインなので、手っ取り早く薬で押さえ込むのは、サインを無視していることに。体のSOSに応えた根本的な治療や生活習慣の改善をしなければ、解決にはなりません。

薬を飲むと起こる!4つのからだに悪いこと

 (8649)

1.肌荒れ・便秘が悪化しやすい

薬の成分は、体にとって異物。成分を解毒し、消化吸収するために大量な酵素を消費します。代謝に使える酵素が減るため、肌の新陳代謝が滞って肌が荒れたり、消化効率が落ちて便秘になることも。

2. 太りやすくなる

消化酵素が少なくなるため、消化力が落ちてためこみやすい体質に。さらに代謝酵素も少なくなってエネルギー消費量が低くなり、ダイエット効果が出にくく太りやすい体に変化。

3. 冷えがひどくなる

代謝酵素には、脂肪をエネルギーに変換し、発生した老廃物を排出する働きがあります。薬による酵素不足で代謝機能が低くなると、血液がドロドロに。血流が悪くなり冷えがひどくなります。

4. 病気にかかりやすくなる

体温が1度下がると免疫力は13~30%も低下。健康のために飲んだ薬のせいで免疫力がダウン。ウイルスや細菌などの外敵から身を守れなくなり、病気になるという本末転倒な結果に。

薬の種類別 気をつけたいポイントと薬に頼らない改善法

[痛み止めの薬]

 (8637)

痛みの多くは血流の増加が原因。そこで薬の力で血管を収縮させ、血流を悪くすることで痛みを感じさせないようにするのが痛み止めの薬。ところが痛みの部位だけでなく全身の血流が悪くなるため、体は冷えて免疫力低下。しかも一時的な効果のため、また痛くなって薬を飲むという悪循環に。
→ 脱クスリ改善法:根本の原因を突き止めて
痛みの根本的原因を突き止めて改善を。たとえば頭痛なら、姿勢の悪さが引き起こす慢性的な緊張状態が元凶かも。病院で相談を。

[目薬]

 (8638)

ビタミンなどの成分が目にやさしいと思われがちな目薬。しかし充血やドライアイを悪化させやすいので要注意。充血の原因は、酸素不足による血管の膨張がほとんど。薬で血管を収縮させれて充血は収まっても酸素不足は未解決のまま。また、ドライアイで目薬を使いすぎると、目を潤す働きが鈍ってさらに乾き目に。
→ 脱クスリ改善法:目に休養を
パソコンやスマホの時間を減らしてしっかり眠るなど、目に休息を。目の周辺を蒸しタオルで温めたり、ツボ押しするのも◎。

[風邪薬]

 (8639)

「ひき始めの薬が効く」と言われますが、実は効果ナシ! 薬にできるのは熱や鼻水などの症状にフタをする応急処置。風邪の症状は体がウイルスと闘って直そうとしている証拠。見守るつもりで体を休ませることが、早く治すための近道です。つらくて寝つけないときなどは、薬で緩和している間に睡眠をとって。
→ 脱クスリ改善法:とにかく休んで
自然治癒力で風邪を治すには、体をよく休めること。食欲がないときに無理に食べようとせず、とにかく寝るのがベスト。

[便秘薬]

 (8640)

強制的に腸のぜん動運動を起こし、滞った便を排出させるのが便秘薬の仕組み。薬に慣れた大腸は、「自力でうごかさなくてもいい」と怠けてしまい、自発的に働かなくなる危険性が。すると大腸の働きはますます弱まり、便秘が慢性化して薬を手放せなくなる負のスパイラルに。
→ 脱クスリ改善法:しっかり食事を摂る
「便秘だから食べない」は、便を作り出せなくなるため逆効果。食物繊維や炭水化物をしっかり摂り、自力で出せるからだづくりを。

[胃薬]

 (8641)

胃もたれは「ヘビーな飲食物をとりたくない」という弱った胃からのSOSサイン。しかし胃薬は、胃酸の分泌を抑えるなどしてサインを消すため、本来の許容量がわからなくなってしまします。「休みたい」という胃を薬で無理やり働かせるのですから、負担は大きくなるばかり。症状はさらに進行することに。
→ 脱クスリ改善法:もたれたまま飲食を控える
弱っている胃を休ませるのが一番。激痛がある場合を除いては、もたれた状態のまま飲食を控えて修復力を引き出すのが得策です。

[生活習慣病の薬]

 (8642)

「薬で治すもの」と思われやすく、何年も薬を飲み続ける人が多い症状。しかし発症の要因は、病気になる習慣を積み重ねてきたこと。薬を飲めば症状はおさまるものの、一過性の効果にすぎません。不健康な生活習慣を改めない限りは病気の根源が消えないため、服薬を止めた途端に再発するというリピートに。
→ 脱クスリ改善法:生活習慣の根本的な見直しが必須。
食事や運動など生活習慣の根本的な見直しが必須。血圧や血糖値を普段から計測すれば、的確な対策を考えやすくなります。

[更年期症状の薬]

 (8643)

更年期障害は、一定の期間症状が出た後に自然におさまるので、どうしてもつらいときには薬を使うという選択もあり。ただし長期間ホルモン補充療法やピルの服用を続けると、ガンや肝機能障害、血栓などを招くリスクも。また、注射タイプのホルモン補充療法は、添加物が多く含まれていることがあり弊害も。
→ 脱クスリ改善法:大豆製品を積極的に摂る
大豆製品を食べると、女性ホルモンのエストロゲンに似た成分をチャージ可能。ストレスを減らす生活を心がけることも効果的。

[骨粗しょう症の薬]

 (8644)

閉経で女性ホルモンのバランスが変化し、骨密度が下がるのは自然なこと。骨密度の低下そのものによる体へのダメージはなく、「転倒したときに骨折しやすくなる」という理由で薬が処方されています。しかしその副作用には、けいれんやしびれ、骨の壊死なども。骨折の原因になりそうな症状ばかりで逆効果といえそう。
→ 脱クスリ改善法:カルシウムを摂って運動を
カルシウムを摂る他、運動で筋肉をつけて骨折予防を。また、体を動かして骨に振動を与えることで、骨の生成がスムーズに。

[うつ病の薬]

 (8645)

副作用によって「うつ症状」が起こり「自殺願望が高まることがあります」と、説明書に明記されていることも。薬の仕組みは、安らぎをもたらすセロトニン・やる気を与えるノルアドレナリンなどの神経伝達物質を特定の場所にとどめるというもの。その度合いがうまく調整できず、不安や焦りなどに悩まされることがあります。
→ 脱クスリ改善法:生活スタイルの見直しを
症状の原因となった生活スタイルの見直しを。リズム運動と日光浴の要素を備えた朝の散歩で、セロトニン生成を促して。

不要なクスリを減らしたいなら

もちろん、症状によっては薬を飲むべき場合も。問題は、必要以上にたくさんの薬を処方され飲み続けることにあります。
 (8646)

「お薬手帳」を活用して薬の情報を1カ所に集約することも、過剰な処方を防ぐ手段の一つ。「副作用が出たことがないか」「飲み合わせが悪い薬がないか」などを医師や薬剤師が確認しやすくなり、的確な処方に繋がります。

「薬を飲むほかにできることはありますか?」と医師に聞くことも、カジュアル飲みの予防になります。医師の説明をよく聞いて必要な薬を見極めたり、薬以外の改善法を実践したりすることが、根本的な解決になります。自分の健康は自分で守りたいですね!

この記事の監修

宇多川久美子さん

薬剤師。栄養学博士。たくさんの薬を処方する日本の医師に疑問を感じ「薬を使わない薬剤師」として薬の危険性を伝える活動を行う。著書多数。最新刊は20冊目になる『薬剤師の本音 65歳を過ぎたら飲んではいけない薬』(宝島社 ¥1,382)。
イラスト/坂本浩子
(からだにいいこと2015年9月号より)