疲労医学の専門医が考案!夏バテ・疲れ知らずの食べ方ルール

公開日:2020.8.24

更新日:2020.8.24

疲労医学の専門医が考案!夏バテ・疲れ知らずの食べ方ルール

「夏バテには栄養満点なスタミナ料理」は時代遅れ。 疲労医学の専門医が、現代の疲労医学に基づく食べかたやコツを伝授します。レシピも参考に、おいしくかしこく食べて、疲れない体に!

この記事の監修:塚本修身さん

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医学博士。東京疲労・睡眠クリニック院長。疲労研究のスペシャリストとして、テレビ・書籍など、数多くのメディアで監修を担当。著書に『隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体』(朝日新聞出版)

夏バテのだるさや疲れは自律神経の疲れ

「呼吸や心拍、体温などをコントロールしている自律神経。夏は暑さや室内外の寒暖差の体温調節で自律神経が酷使されます。それが夏バテや疲れの原因に」と、医師の梶本修身さん。つまり、自律神経を疲れさせない食事や食材選びが「疲れない食べ方」に。

「細胞を酷使すると酸化し、細胞がサビてしまいます。特に自律神経細胞についたサビは本来の働きを低下させるので、熱中症のリスクも高まります。夏こそ抗酸化成分を積極的に摂りましょう。自律神経の働きを助ける食生活を工夫すれば、元気に乗り切れます」

疲れない食べ方 3つのルール

抑えるべきポイントはこの3つ! 乱れた自律神経を整えて、胃腸をいたわり、疲労回復に効果的な食材を効率よく取りましょう。
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「疲れない体」づくりにもっとも大事なのは、1日3食摂ること。空腹時間を長引かせないことがポイントです。欠食して血糖値が下がると命の危機を感じ、交感神経が興奮しイライラすることで自律神経が疲れてしまいます。とくに朝食はバランスが乱れた自律神経をリセットさせる役割がある重要な食事。忙しい日々を送る人こそ、1日3食摂取しましょう。
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「スタミナ料理」といえば、焼肉やうなぎ料理などをイメージしますが、いずれも「消化に時間がかかるこってりメニュー」。消化に時間がかかると、自律神経が胃腸の働きをコントロールし続けることになり、逆にグッタリ。体を疲れさせない料理は、一汁一菜など消化のいい“粗食”です。
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疲労回復を促す成分を含む食品はたくさんあります。例えば、疲労回復を助ける抗酸化成分「イミダペプチド」は鶏むね肉などに、エネルギーを作り出す働きを促進する「クエン酸」はレモンなどに含まれます。これら“抗疲労”食材を上手に取り入れ、疲れが取れやすく、たまりにくい体を目指して。
三大栄養素に、以下の分解酵素を含む食材を1つでも組み合わせると、消化力が高まり、体が疲れにくくなります。
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抗疲労食材はコレ! 毎日の食卓づくりに活用しましょう。
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疲れない食べ方 10のコツ

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鶏むね肉に多く含まれる「イミダペプチド」は、疲労回復を促す効果が実証された抗酸化成分。鶏むね肉100g(皮なし)で、1日の疲れを取るために必要な200㎎のイミダペプチドが摂れます。毎日の摂取で自律神経の働きが低下するのを防いでくれるので、様々なメニューに取り入れて。
チキンサンドイッチ【材料・作り方】
サラダチキン1枚とトマト1/2個は薄切りにし、レタス2枚は食べやすい大きさにちぎる。食パン2枚にマヨネーズを塗り、レタス、サラダチキン、トマトをはさみ、半分にカットする。
鶏と野菜の炒め物【材料・作り方】
鶏むね肉100gはひと口大のそぎ切りにし、塩、こしょう、酒で味付けをする。フライパンに油をひいて炒め、取り出す。再び油をひき、切った野菜を炒め、鶏むね肉を戻す。塩、こしょう、しょうゆで味付けをする。
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コーヒーは、抗酸化作用のある「クロロゲン酸」を多く含んでいるため、細胞のサビを抑えます。その抗酸化作用は3時間しか持続しないので、3時間ごとの摂取が効果的。カフェインの過剰摂取には注意、カフェインレスがおすすめです。
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マスクをつける機会が増え、今年は特に熱中症に注意が必要です。夏場に大事なのは、その水分の「中身」。汗をかいた時は、電解質が含まれているスポーツドリンクや経口補水液を選び、こまめに摂取して。
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「りんごポリフェノール」は、りんごに含まれる抗酸化成分。運動時の身体的な疲労をやわらげてくれるため、特に夏場は運動前に予め摂取するのがおすすめ。りんごポリフェノールは、赤くなる前の、少し青いりんごにより多く含まれます。
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さばやいわし、あじなど、青魚に含まれる「EPA」は血流を改善し、自律神経の負担を軽減。自律神経の疲労を防ぐだけでなく、中性脂肪の低減も期待できます。種類豊富な缶詰商品を常備してこまめに食事に取り入れて。
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朝、糖質を摂取すると、脳にエネルギーを供給できたり、自律神経を整えるホルモン・セロトニンの分泌を促進させます。なかでも、消化・吸収が速いブドウ糖を含むバナナは調理不要で、疲れている朝にもおすすめ。
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ひとりで食事をすると、交感神経を優位にする「早食い」になりがち。食べ過ぎることも多く、消化器系にも負担が。会話を楽しみながら食事すると早食いを予防でき、「自律神経を疲れさせない食事」に。ただし、飛沫が飛び交うほどの大声での飲み会はNGです。
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食事のすぐあとは、自律神経の働きが活発になっているため、眠っても疲れが取れない「質の低い睡眠」に。ただでさえ寝苦しい夏、夕食は睡眠の3時間前までに済ませ、消化に時間がかからないものを選ぶこと。
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疲れを感じると、甘いものに手が伸びる人も多いはず。そんな時は、カカオ含有率70%以上の高カカオのチョコを。チョコに含まれる「カカオポリフェノール」は抗酸化成分で、カカオ含有率が高いほど多く含まれます。
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体内でエネルギーを作り出す「クエン酸回路」。クエン酸回路のスピードを上げ、効率的にエネルギーを生み出せると疲れが取れやすくなります。これを助けるのがクエン酸。レモン、梅干し、酢などのすっぱい食品に含まれるので、ドリンクなどに加えて。
レモン豆乳【材料・つくり方】
レモン汁大さじ1、オリゴ糖(はちみつ)大さじ2、無調整豆乳適量を混ぜ、氷とレモンの輪切り2枚を入れたグラスに注ぐ。
梅サイダー【材料・つくり方】
梅干し1個、ガムシロップ2個をグラスに入れ、フォークなどを使って梅干しをつぶす。氷と炭酸水を各適量入れ、混ぜる。
撮影/国井美奈子 イラスト/須山奈津希
(からだにいいこと2020年9月号より)