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女性の生理不順や骨粗しょう症予防に「マルチビタミン」がいい理由

栄養に関する研究で世界をリードするDSM社の“ビタミン博士”こと乾泰地さんが、栄養が深く関わっている不調について教えてくれるこの連載。第4回のテーマは「マルチビタミン」です。私たち女性の生理不順にも関係しているという、ビタミンのパワーを教えてもらいました。

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マルチビタミンには、何が含まれている?

マルチビタミン

サプリメントで摂っている人も多いマルチビタミン。そもそもマルチビタミンサプリには、何の栄養素が含まれているか知っていますか? 一般的なマルチビタミンのサプリは、「ビタミンK」をのぞく「ビタミンA」「ビタミンB2」「ビタミンB6」「ビタミンC」「ビタミンD」「葉酸(ビタミンB9)」など12種類のビタミンが含まれています。商品によって多少差はありますが、ほぼすべてのビタミンを兼ね備えている優秀サプリと言えます。

マルチビタミンは、美肌づくりから骨の健康まで女性の体を全面的にサポートしてくれます。まず美肌づくりには、ターンオーバーを促すビタミンA、シミを予防するビタミンC、肌荒れを防止するビタミンB群が関係しています。

また、ビタミンB群、ビタミンK、ビタミンDが不足すると、将来的に骨粗しょう症のリスクがアップ。さらに妊娠期の女性は、胎児の神経管の発育を促すために、葉酸(ビタミンB9)が欠かせません。

女性の生理不順にも関係

マルチビタミン

ビタミンは、生理不順にも関係しています。ハンガリーで、400人の女性を対象にビタミンと生理について行った調査があります。マルチビタミンを摂っている人と摂っていない人に分けて調べたところ、摂っている人の方が生理周期のバラつきが少ないという結果が出ました。ビタミン不足は排卵不調を起こすと考えられています。また、経血量が増えたり、生理痛が増すとも言われています。その一方、十分なビタミンを摂っていれば、ビタミンが鉄分の吸収を促し、生理中に起こりやすい貧血を防いでくれるのです。

日本人はビタミンが足りていない

マルチビタミン
出典/厚生労働省 国民健康・栄養調査データ、日本人の食事摂取基準より改変(国民健康・栄養調査はそれぞれの栄養素のページから女性30~39歳の中央値を、日本人の食事摂取基準は該当ページの女性30~49歳の値を使用)

たくさんの栄養がつまったマルチビタミン。厚生労働省のデータによると、日本女性は、各ビタミンの食事摂取基準を満たしていません。上のグラフは、平均的な30代女性のビタミンの摂取量のデータです。

このデータを見ると、ビタミンEとビタミンKとビタミンB12しか十分に摂れていないことが分かります(100%の部分)。また、ビタミンCは基準の52%、ビタミンAとビタミンDは50%以下に。ビタミンE、K、B12は足りていますが、食事だけでは十分なビタミンが摂れていないことが分かります。

多くの栄養素はひとつでは働かず、複数の栄養素と補い合って働く特徴があります。そのため、一緒に働く栄養素をひとつで摂れるマルチビタミンは、効率よく様々な栄養を補給できると言えます。

朝と夜、半分ずつ摂るのが効く!

マルチビタミン

マルチビタミンサプリを効果的に効かせるには、半分に割って朝と夜に分けて飲むのがおすすめです。これは、水溶性ビタミンのビタミンB群とビタミンCが体内で12~16時間しかとどまらないから。1日の体内のビタミン濃度を一定に保つという意味で半量を時間差で摂ると良いでしょう。

ビタミンは日に当たると成分が減少!

市販のサプリメントの容器は遮光されるようにできていますが、ビタミンの成分は、日に当たることが原因で減少してしまいます。ビタミンサプリは日の当たらない涼しい場所で保管を。そして、サプリはあくまで食品なので、賞味期限までに消費しましょう。

いかがでしたか? マルチビタミンは、生理不順や骨粗しょう症など、女性の健康に大きく影響します。肌も体も若々しく元気でいるために、マルチビタミンの摂取はおすすめですよ。

最近は個人個人が必要としている栄養素を測定してくれるパーソナルサプリも登場。自分の身体に合った栄養素を、しっかり補えると注目されています。サプリは病気を治すものではありませんが、日々の健康維持のために上手に取り入れてみましょう。

イラスト/斉藤明子

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