「かぜをひきそう……」という時に欠かせない『葛根湯』を構成する⽣薬

公開日:2020.12.1

更新日:2020.12.1

「かぜをひきそう……」という時に欠かせない『葛根湯』を構成する⽣薬

「葛根湯のんでま〜す」という人は多いのに、漢方薬や生薬……どんなものか正しく知っている人は少ないそうです。そこで、漢方薬である葛根湯を構成する生薬について、ご紹介しましょう。

この記事の監修:坂田幸治さん

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元北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部科長補佐、明治薬科大学 臨床漢方研究室研究生、東亜医学協会理事。共著に、『初めの一歩は絵で学ぶ 漢方医学』(じほう)等。

生薬の組み合わせで漢方薬に

漢方薬は、基本的に複数の「生薬(しょうやく)」を組み合わせることで作られます。

生薬というのは、葛根(かっこん)、生姜(しょうきょう)、桂皮(けいひ)、菊花(きっか)というように単体のものです。

これら生薬を、体質や症状に合わせて組み合わせたものが「漢方薬」。

それは料理と似ていて、例えば、小麦粉と卵とキャベツを使って焼くとお好み焼きになりますが、キャベツだけ牛乳に替えるとホットケーキになります。このように、生薬の種類や分量を変えることで、別の薬になります。

“葛根湯”は、葛根、桂皮(けいひ)、大棗(たいそう)、麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)の7種類の組み合わせで、肩こりやかぜの時に用いられます。

この組み合わせから葛根と麻黄を外すと“桂枝湯(けいしとう)”になり、その中の芍薬の量を増やすと“桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)”になります。
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一人ひとりの体質や状態によってたくさんの組み合わせができる生薬

また、漢方には“同病異治(どうびょういち)”や、“異病同治(いびょうどうち)”という言葉があります。

同病異治は、同じ病でも人によって治療法が異なるという意味で、例えば、同じように高血圧でも、体力のある人とない人では、用いられる漢方薬が変わります。

異病同治というのは、体質が同じであれば、違う病気の人であっても、同じ漢方薬を処方することがあるということです。

中国最古の医学書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には、365種類の生薬が紹介されています。植物の根や皮、葉、花などの“植物薬”が252種類、動物の体全体やツノ、胎盤、甲羅、骨などの“動物系”が67種類、石膏、石などの“鉱物系”が46種類です。

これらを使い、非常にたくさんの組み合わせができるため、一人ひとりの体質や状態に合わせて処方することができる……これは漢方薬の得意技です。

一人ひとりの体質や状態に合わせてこそ効果があるため、ドラッグストアなどでOTC(市販薬)の漢方薬などを選ぶ時には、箱の裏の説明書きなどを読んで納得してから購入することが大事です。
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頭は牛、体は人間と伝えられる「神農様」。

“葛根湯”を構成する生薬

では、“葛根湯”を構成している生薬について見てみましょう。

葛根(かっこん):体を温めて汗をかくことで熱を下げる働きがあります。
大棗(たいそう):滋養があり、健胃作用もあります。
麻黄(まおう):発汗、利尿作用のほか、痛みを鎮める効果も期待できるため、咳を止め、神経痛をやわらげる効果も期待できます。
甘草(かんぞう):消炎、鎮痛、のどの痛みを除くなどの作用があります。
桂皮(けいひ):手足の冷え、腹痛、下痢、のぼせなどに用いられます。
芍薬(しゃくやく):鎮痛のほか、こわばった筋肉を緩める作用もあるため、肩こりにも効果を発揮します。
生姜(しょうきょう):消化を助け、体を温める効果があります。

こうしてみると、全てが肩こりやかぜのウイルスに直接働きかける働きをするものばかりではありません。その多くが、体を温めたり、発汗を促したり、消炎や鎮痛の働きがあるものです。

つまり、血流を良くして体を温め、痛みを取るという構成になっています。

漢方薬の多くは、このようにウイルスや細菌などに直接働くものではなく、体の抵抗力をつける働きをしながら、病気に強い体質を目指すもの。

体温を上げる葛根湯は、免疫力が下がらないためにも、重要な働きをするのです。
では、“葛根湯”を構成している生薬について見てみましょう。

葛根(かっこん):体を温めて汗をかくことで熱を下げる働きがあります。
大棗(たいそう):滋養があり、健胃作用もあります。
麻黄(まおう):発汗、利尿作用のほか、痛みを鎮める効果も期待できるため、咳を止め、神経痛をやわらげる効果も期待できます。
甘草(かんぞう):消炎、鎮痛、のどの痛みを除くなどの作用があります。
桂皮(けいひ):手足の冷え、腹痛、下痢、のぼせなどに用いられます。
芍薬(しゃくやく):鎮痛のほか、こわばった筋肉を緩める作用もあるため、肩こりにも効果を発揮します。
生姜(しょうきょう):消化を助け、体を温める効果があります。

こうしてみると、全てが肩こりやかぜのウイルスに直接働きかける働きをするものばかりではありません。その多くが、体を温めたり、発汗を促したり、消炎や鎮痛の働きがあるものです。

つまり、血流を良くして体を温め、痛みを取るという構成になっています。

漢方薬の多くは、このようにウイルスや細菌などに直接働くものではなく、体の抵抗力をつける働きをしながら、病気に強い体質を目指すもの。

体温を上げる葛根湯は、免疫力が下がらないためにも、重要な働きをするのです。
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イラスト/すみもとななみ