この記事の監修:田中麻衣
ヨガの本場・インドで学んだマインドフルネスとは?
マインドフルネスとは「今この瞬間に集中すること」を表す言葉です。意識を自分自身に集中することで、モヤモヤしていた頭がだんだんとクリアになっていきます。
マインドフルネスの効果はたくさんあり、体の緊張がゆるみ、リラックスできるという肉体的なものから、集中力が高まる、不安感や怒りなどネガティブな感情が和らいで感情をコントロールできるという精神的なものまで。
Googleなどアメリカの一流企業が社員研修プログラムに取り入れていることが知られていますが、日本でも瞑想のワークショップが各地で開催されたり、マインドフルネスに関する書籍や動画配信などが増えて注目が高まってきています。
やり方は人それぞれですが、瞑想法を取り入れることによって、マインドフルネスな状態になります。インドでは日常的に瞑想を行い「本来の自分に戻る」、「人間は自然の一部だということを思い出す」、「生きていることに感謝して前向きな思考を取り戻す」という効果を体感している人が多くいました。
マインドフルネスのやり方
(1) まずは、心地よい姿勢で座って目を閉じ、呼吸に集中します。
(2) 頭の中に考え事や気になることが浮かんできたら、それを観察します。思考にとらわれるのではなく、客観的に観察するというのがポイントです。
「私は今、○○が気になっているんだな」、「あ、また食べ物のことを考えているな」といった具合です。感情をコントロールする第一歩の“感情に気付く”という練習です。
(3) 湧いてきた感情にラベリングして手放します。
例えば、職場でイライラしたことを思い出したら、「自分はイライラしているんだ」と、「怒り」という感情のラベルを。泣きそうになって感情が溢れてきたら、「私は悲しいんだな」と認めて、「悲しみ」というラベルを貼って手放します。
“手放す”がイメージしづらい方は、空に浮かんだ雲が流れていくように、感情が頭の中から外にすっと流れていくのを想像してみてください。「こんな感情を持ってはいけない」と思うのではなく、「今、こんな感情なんだねぇ」と自分の感情を受け流しましょう。まるで小さい子を相手にするように、自分に優しくするのがポイントです。
始めは数分から5分という短い時間でOKです。できれば毎日継続して行うと、10分、15分と、少しずつ長くできるようになります。そして、徐々に雑念にとらわれない感覚をつかみやすくなります。
瞑想状態に入ることができると、夢の中のような不思議な心地よさに包まれる感覚があります。自分が最も好きな世界観の美しい景色が目の前に広がり、感謝の気持ちが湧いてきて、ただ、ここにいることに喜びを感じることができるのです。
例えば、私の場合はスイスのような美しい高山地帯で、青空のもと山々に囲まれた花畑を風がそよいでいく、そんな景色が目の前に広がったことが何度かありました。
瞑想が終わった後は、とてもリラックスして幸福感を覚え、次に起こる事に対してポジティブにとらえることができる心境になっていました。
インドの瞑想法の講師によると、自分の価値観に近い美しい景色が見えるとマインドフルネスな状態に入っており、心が求めているものに近づけたということだそうです。
現地で知った、「ヨガは生活の一部」という立ち位置
心と体を清らかにする食事法や、部屋を掃除することがヨガの一部であり、人間関係を穏やかな気持ちで良好な状態に築き上げるプロセスもまた、ヨガなのです。
インドのヨガと日本のヨガの違い
インドでは、正しいポーズの解説はあるものの、より感覚で学ぶものでした。体を鍛える目的がそもそも、瞑想を何時間も続けることに耐えうる体の準備と捉えられているのです。体づくりの最終目的が心づくりなのです。
心と体は繋がっています。
心が乱されると、体も壊れます。
心が幸せだと、体も元気になれます。
マインドフルネスを行うと、幸せを感じやすくなれます。
インドのヨガをヒントに、あなたの日常にも精神的な健康をつくりだす習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか?
ヘルスコーチとは?
https://www.integrativenutrition.com/
客室乗務員として5年間勤務するなか、ストレスが原因で心と体のバランスを崩し、自律神経を乱す。その経験から、心と体のつながりを実感し、持続可能な健康について探求を始める。ニューヨークにある世界最大の統合栄養学校「Institute for Integrative Nuturition(IIN)」を卒業し、現在はホリスティックヘルスコーチとして活動中。
IINでホリスティックヘルスを学ぶなか、ヨガはフィットネスではなく、むしろ瞑想の要素も大きいということに気が付く。理論だけでなく、実際に体感する学びを求めて、2020年に、ヨガ発祥の地・インドに留学。インド人の教師によるヨガ哲学を学び、さまざまな瞑想法を経験。帰国後は、テーブルでできる茶道やヨガを教える講師活動もしている。
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