【連載】コロナ禍でどうする?ストレスにならない今年の帰省

公開日:2020.12.15

更新日:2020.12.15

【連載】コロナ禍でどうする?ストレスにならない今年の帰省

年末年始になると憂うつな夫の実家への帰省。今年はコロナ禍ということもあり、「帰省をしない」という選択もあり。その場合の義両親とのストレスフリーな付き合い方について解説します。

この記事の監修

大野萌子さん

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日本メンタルアップ支援機構 代表理事。メンタルアップマネージャ(R)、産業カウンセラー。企業の健康管理室カウンセラーとして、数多くの働く人を支えている。長年の経験を活かし、人間関係改善のコミュニケーション術やストレスマネジメントについて、講演・研修などを行う。近著『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)。

日本メンタルアップ支援機構
https://japan-mental-up.biz

夫の実家への帰省はなぜ「ストレス」なの?

メンタルアップマネージャ(R)の大野萌子さんに人間関係でストレスをためない方法を教えてもらうこちらの連載。第15回目のテーマは、「ストレスにならないコロナ禍での帰省」です。

今年は新型コロナウィルスの流行もあり、年末年始の帰省をしないと決めた人や、まだ悩んでいる人も多いのではないでしょうか? そもそも、コロナにかかわらず、夫の実家への帰省が憂うつと感じている人は少なくありません。
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その理由は、ズバリ「他人なのに親子を装うのが苦痛」という点に集約できます。義両親と上手くいっている、いっていないにかかわらず、価値観や育ってきた環境はまったく違います。自分だけ周りと違うアウェーな状態は、誰にとっても居心地が悪くて当然です。
●帰省したときの義実家での“あるある”
・価値観の違う義実家の会話で、無理やり笑顔で話を合わせる。
・自分の知らない親戚や昔話などで、話題についていけない。
・このときとばかりに子育ての話や仕事、収入などあまり触れられたくないことに干渉される。
・ほかの嫁と比較されたり、陰口を聞かされたりする。きっと自分の悪口もほかの嫁に言っているに違いない。

こんな思いをするたびに、帰省するとどっと疲れるという人も多いのではないでしょうか。

コロナ禍で迷う帰省。今年は行かない選択もOK

今年は例年と違い、コロナ禍という大義名分があります。きっぱり「帰省をしない」と決めても、今年は義両親も納得しやすいはず。自分たちの意志で言いづらければ、「会社から3人以上の集まりは禁止されている」「学校から帰省を控えるように言われた」など、会社や学校を理由にしてもいいでしょう。

「コロナ拡大の状況を見て…」と、しばらく考えている人がいるかもしれませんが、行くか、行かないかは早めに決めないと、お正月準備をして迎える側の負担が大きくなります。

「帰ってくるかもしれない」と豪華なおせちを頼んだのに、直前に「やめた」と言われると、ガッカリしたり、「なぜ来ないんだ」という怒りに変わったりすることもありえます。もともと気乗りしない帰省であれば、なおさら早めに「行かない」と決めるのが賢明です。
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ただし、帰省しないと伝えるときは、高齢の義両親の健康第一という姿勢を見せることも大切。「お父さんやお母さんにうつしたりしたら大変ですから」と一言を添えるようにしましょう。それだけで、本音では帰ってきてほしい義両親も受け入れやすくなります。

また、もし帰省する方向で考えているのであれば、義両親が本当に帰省を望んでいるのかは、きちんと確認しておきましょう。相手は「今回の帰省は迷惑」と思っているかもしれないので、あまり先走りすぎないことも大切です。

自分は行きたくないけれど、夫に「帰省したい」と言われたら?

「コロナ禍の帰省は当然なし」と思っていたのに、夫が「高齢の両親が心配。お正月はなんとか帰りたい」と言い出したら?

そんなときは、「家族全員で帰省をしなくてもいいのでは?」と提案してみましょう。夫だけ一人で実家に帰り、両親の様子を見てくる選択肢もありです。
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特に地方では、都会から人が来ることに世間体を気にすることも少なくありません。大勢よりもひっそり夫だけ帰省するほうが、結局は義両親のためということも。

もし、夫が「家族一緒の帰省」を主張したら、「義両親の健康のためにも夫だけのほうがよい」と切り返して。本音だからと「そもそも私は行きたくないし…」と言ってしまうと、余計な言い合いの原因になりかねません。夫も納得しやすい言い方を心がけましょう。

また、夫の提案に対して、行きたくないのに「どうしよう…」と迷う素振りを見せるのはNG。人は期待させられてその通りにならないと、後々ガッカリしたり、怒りの感情がわいたりしてくるもの。

夫や義両親に「家族も一緒かも?」と期待させるくらいなら、最初から「行くなら夫だけ」とはっきり言うほうが、お互いに嫌な思いをしません。

義両親へのフォローで、関係も良好に

帰省しないにしても、お互いの関係のために、遠くに住む義両親への心づかいは必須。例年とは違う状況の中、義両親もコロナのストレスを感じているはずです。「いつも気にしている」という嫁からのメッセージは、とてもうれしく感じるでしょう。

例えば、元旦には新年のあいさつの電話を入れる、お正月用に少し豪華な食べ物を送るなど、ちょっとしたことが、義両親からの信頼を高めてくれるかもしれません。
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ただし、電話より「オンラインで年始の挨拶を」など、張り切りすぎるのは考えもの。ITに詳しい義両親ならいいですが、高齢者にとってオンラインでのやりとりはハードルが高いうえ、会話の「間」もリアルより難しくなります。

スマホのテレビ電話は手軽ですが、画面越しで顔を合わせるだけに電話を切るきっかけがつかみにくくなることも。お正月の挨拶を手短にすれば十分なので、電話がお互いにストレスにならないでしょう。

今年は家族で自由なお正月を満喫して

毎年、慌ただしく、時間もお金もかけて移動していたお正月の帰省。その交通費やお土産に使っていたお金も、自分たちのために使えます。家族水いらずで過ごしたり、それぞれが自由にくつろいだりするお正月を楽しみましょう。

そもそも年末年始は必ず帰省して「よい嫁」をしなくては、と考えがちですが、こんなときくらいは堂々と帰省をお休みしてもいいはず。自分のことを一番に考えて、今年は自分が過ごしたいお正月を迎えるのがおすすめです。

コロナ禍で大変な2020年だったと思いますが、家族みんなが楽しく充実した2021年にできるように、年末年始は自分へのご褒美としてストレス知らずの楽しい時間を過ごしてくださいね。
取材・文/工藤千秋 イラスト/地獄カレー