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40℃の全身浴で体温アップ!シャワーよりもお風呂が効果的な理由

忙しいと、シャワーだけで済ませていませんか? 感染症リスクが高まる冬は、免疫対策のために全身浴で体温アップを! 医師が教えるおすすめの全身浴についてご紹介します。

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免疫対策には全身浴がおすすめ

全身浴

感染症リスクが高まる冬、免疫対策はバッチリですか? 家事や仕事で忙しいと、お風呂が面倒になり、シャワーだけで済ませてしまうことも…。ウイルスに負けない体を作るためには、バランスのとれた食事、十分な睡眠に加えて、お風呂に入ることも大切。肩までゆっくりお湯に浸かる全身浴で体温を上げることが、免疫アップにつながります。

それでは、全身浴のメリットを詳しく説明していきましょう。

温熱作用でぽかぽか血流アップ

全身浴で体が温まると、血管が広がることで心臓の動きが活発になり、たくさんの血液が体を巡って血流がアップします。

血液には、酸素や栄養、ホルモン、免疫物質などの必要なものを体のあらゆる場所に運び、二酸化炭素や疲労物質、老廃物などの不要なものを回収する働きがあります。

血液によって免疫機能を持った白血球が体の中を巡ると、ウイルスや細菌から体を守る機能がしっかり働くため免疫力アップにつながります。

マッサージ効果でむくみとさよなら

マッサージ

お湯の水圧で全身が心地よくマッサージされた状態となり、血流を促進。さらに、足のむくみにも効果的です。重力で血液が溜まりやすい足は、水圧により血液の流れが良くなり、むくみをとることができます。

蒸気でのどと鼻の乾燥をストップ

のどや鼻の粘膜が乾燥すると、免疫力が下がりやすくなります。乾燥を防ぐには、お風呂の蒸気でうるおいを与えることが大切です。

元気に過ごすための正しい入浴法をご紹介

おすすめの入浴のタイミングは、就寝の1時間30分前。程よく体温が下がるため、免疫に大切な質の高い睡眠をとることができます。次からは、正しい入浴法をご紹介します。

お風呂上がりのフラフラ防止! 入浴前はミネラル入りむぎ茶を飲む

麦茶

入浴前には、ミネラル入りむぎ茶で水分とミネラルを補給しましょう。入浴は、1回で約800mlの水分が体から抜けてしまうこともあるため、脱水症状や浴室熱中症を招く可能性があります。

ミネラル入りむぎ茶は、血液サラサラ効果や血圧低下作用があると報告されているため、血栓予防にもなります。

入浴前後に限らず、1時間にコップ1杯(200~300ml)を目安にして日常的に飲むとよいでしょう。水分とミネラルは、一気に補給すると、体の中にうまく吸収できずに尿として排出されています。そのため、時間を分けてちょっとずつ飲む「点滴飲み」が効果的です。点滴飲みなら、水分とミネラルが体に吸収されやすくなり、体の機能を正常に保つことができます。

シャワーだけはNG! 「40℃・10分の全身浴」で体温アップ

全身浴

お風呂のお湯は、40℃程度の温度にしましょう。理由は自律神経の「副交感神経」が優位になり、体の緊張がほぐれるから。ぬるめのお湯での全身浴は、心身のリラックスや血圧ダウンなどにつながります。

時間は出たり入ったりしながら、合わせて10~15分を目安に。もちろん、浸かりっぱなしでもOKです。お風呂に浸かり、体をぽかぽか温めて、血流アップを目指しましょう。入浴中にもミネラル入りむぎ茶を飲むことで、入浴による健康リスクの対策に効果的です。

入浴後は、体を拭いたらすぐに保湿と水分補給

保湿

お風呂上りは、全身浴で汗をかいたことによって失った水分やミネラルを補うために、ミネラル入りむぎ茶をコップ1杯飲みましょう。

さらに、入浴後は皮ふの水分量が急激に減るため、お風呂から出たら10分以内に顔や体を保湿することが肝心です。

寒い冬に効果的! 免疫におすすめの3つの入浴ポイント

寒~い冬は、せっかくお風呂で温まっても、お風呂上りはすぐに体が冷えてしまいますよね。そこで、正しい入浴方法にプラスして行うと効果的な冬の入浴のポイントを3つご紹介します。これらも実践して、ウイルスに負けない強い体を目指しましょう。

(1)入浴中は手足をさする

さする

お風呂に入っているときに、血行が滞りがちな手足の末端部分から体の中心に向かって皮ふをさすりましょう。手でさすった摩擦により冷え切った手足の血行が良くなります。

(2)炭酸系の入浴剤を入れる

入浴剤

炭酸系入浴剤を入れると、二酸化炭素の泡がシュワシュワと発生します。この泡が全身の血管を広げるため、ぬるめのお湯でも血流がアップ。

(3)お風呂上りはすぐに服を着る

服

お風呂から出たら、体を冷やさないよう、すぐに服を着ましょう。全身浴で温まった体を保温することで、温熱作用の効果をキープし、血流のよい状態を保つことができます。

ここからはついやりがちな間違ったお風呂の入り方をご紹介します。NG習慣はかえって健康に害を及ぼすこともあるので注意しましょう。

意外とやりがち! 間違ったお風呂の入り方

間違ったお風呂の入り方で気を付けて欲しいことは、2つあります。

42℃以上のお湯はNG

お湯

まずは、熱々のお風呂に入ることです。42℃を超えるお湯に浸かると、自律神経の交感神経の働きが活発になり、体が興奮状態になって血圧が上昇します。

さらに、血液がドロドロになり血栓ができやすくなって、体が危険な状態に陥るヒートショックを起こしやすくなります。「熱いお湯じゃないと、体が温まった気がしない! 」という人も、40℃くらいのぬるめの全身浴でゆっくり温まることをおすすめします。

半身浴より全身浴が効果的

次に、冷えやむくみ、肩こりなどの不調に悩む人がやりがちな半身浴です。全身浴のほうが、体が温まって血流が良くなるため、冷えには効果的で、半身浴より強い水圧がかかるので、マッサージ効果も抜群です。お湯の量が多く水深が深ければ深いほど、水圧が強くなります。

また、肩こりのような痛みにも、半身浴より全身浴のほうが効果的という研究結果が出ています。ただし、心臓や肺に疾患がある場合は、水圧が弱く、体温が上がりすぎない半身浴がおすすめです。全身浴には血流をアップしたり、水圧でマッサージをしたり、蒸気で乾燥を防いだりして、ウイルスと戦う力をサポートします。感染症リスクが高まる、この季節だからこそ、いつもはシャワーだけで済ませている人も肩までのんびりお湯に浸かりましょう。

免疫以外にも、冬は脱水症の一歩手前の「かくれ脱水」に注意を。実は、冬でも汗はたくさんかいています。

さらに、乾燥で水分を奪われる上に、こまめな水分補給を忘れてしまいがちな季節です。かくれ脱水に気づかずお風呂に入ってしまうと、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れがありますので、入浴前後や入浴中はミネラル入りむぎ茶を飲んで、体調を整えましょう。

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[ 監修者 ]

hayasakashinya

早坂信哉

医師

医師、医学博士、温泉療法専門医。 東京都市大学人間科学部教授、東京都市大学大学院総合理工学研究科教授、総合研究所子ども家庭福祉研究センター長、一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長、一般社団法人日本温泉気候物理医学会理事(日本医学会分科会学会)、一般社団法人日本銭湯文化協会理事、日本入浴協会理事、日本温泉気候物理医学会評議員、環境省「自然等の地域資源を活かした温泉地の活性化に関する有識者会議」委員、温泉入浴指導員養成講習会講師。 温泉やお風呂、サウナ、岩盤浴などの温浴について医学的知見から調査や研究をしている。1993年に自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事した後、1998年より同大学大学院医学研究科にて入浴に関する調査研究を開始。約20年にわたり3万人以上の入浴を医学的に調査。同大学医学部総合診療部に勤務。浜松医科大学医学部講師および同准教授、大東文化大学教授を歴任。 NHK『あさイチ』『趣味どきっ! (銭湯)』『所さん! 大変ですよ』他、多数メディアに出演。『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)他、著書多数。

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