この記事の監修:秋津壽男(あきつ・としお)さん
お酒を飲むと、太るのはなぜ?
太るのは、実はお酒よりもおつまみ。お酒を飲むときにおいしいと感じるのは、揚げ物などの油を使った料理や、塩分の多い料理で、太りやすくむくみやすいのです。
とはいえ、お酒の中にも糖質はたくさん含まれているので、「おつまみさえ気を付ければOK」というわけではありません。
アルコールそのものにもカロリーがありますし、お酒の中でも日本酒やビールは糖質が多く、飲みすぎると太る原因になります。
太らないのはどっち? 酒太りしないための食べ方・飲み方
ビールは焼酎に比べて糖質が多くなります。太らないためにはビールより焼酎がおすすめ。
糖質を摂ると血糖値が上がりますが、糖質が高いものを飲みすぎたり食べ過ぎたりすると、余った糖が脂肪に変わり、太る原因になります。
焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は糖質が少なく、ビールや日本酒は糖質が多いと覚えておきましょう。ビールを飲みたいなら、「糖質オフ」「糖質ゼロ」ビールを活用しましょう。
ただし、いずれも糖質が低いからといって飲みすぎはNG。アルコール自体にもカロリーはあるため、太りたくないなら量はほどほどに。
栄養満点の魚を食べられる寿司は、一見健康によさそうですが、実は糖質がたっぷり。酢飯はごはんや砂糖、お酢の糖質ぞろいで、塩も入ります。さらに、しょうゆをつけて食べるため、塩分も摂取が多くなってしまうのです。
一方、和食をつまみに飲むのは、いろんな食材を使った料理が少しずつ出てくる点でおすすめです。食材の種類が豊富だと、様々な栄養素を自然に摂れるのでアルコール分解にも役立ち、太らないだけでなく、悪酔いも避けられます。
ちなみに、フレンチやイタリアンは、調理で砂糖を使うことが少ないので、意外と糖質は低め。その代わり、パスタやパンなどを食べ過ぎない、砂糖たっぷりのデザート避けるなどを心がけて飲みましょう。
単品で好きなものを自由にたのめるのは、実は食べ過ぎるもとに。酔いが回ると脳が麻痺して満腹感がわからなくなり、どんどん胃袋に入ってしまいます。
コース料理なら、最後のデザートが出た時点で「これで終わり」という区切りになり、食べ過ぎを防ぐことができます。
また、前菜からメイン、デザートまで食べる順番を考えて構成されたコース料理は、いろいろな食材から栄養素を摂れるので、偏りがなく健康的。ただし、ボリュームが多すぎるコース料理は無理して食べ過ぎないようにしましょう。
殻なしピーナッツはそのままつかんでパクっと食べられ、殻付きピーナツはむいて食べる手間があります。
太らないために大切なのは、ゆっくりダラダラ、飲んだり食べたりすること。その点で、自然と食べるスピードが遅くなる、殻付きのおつまみはおすすめです。
急いでたくさん飲んだり食べたりすると急激に血糖値が上がり、脂肪が溜まる原因になります。「あとちょっと飲みたい」ときのおつまみは、殻付きピーナツや殻付きピスタチオなどを選びましょう。
温かい湯豆腐のほうが代謝にはいいでしょう。体の代謝は、体温に近い温度で起こります。冷たいお酒を飲むことが多い人ほど、食べ物でさらに胃の中を冷やしてしまうよりも、温かいおつまみを選んでください。
大豆でできた豆腐料理は、ビタミンB群が豊富。ビタミンB群は、アルコール分解をサポートする働きがあるため、食べるなら飲み終わりよりも飲み始めに。
飲み終わりにラーメンで締める人が多いですが、締めの炭水化物はNG。スリムをキープしたいなら、炭水化物を控えて味噌汁を飲みましょう。温かい味噌汁は満足感があり、食べ過ぎ、飲みすぎ防止になります。
スープでもいいですが、味噌のほうが体にいい発酵成分が豊富。肝臓にいいシジミ汁や、タンパク質&ビタミンB群を摂取するために豆腐とネギの味噌汁もおすすめです。
一見、こってりしたチーズケーキよりあっさりしたアイスクリームのほうが良さそうですが、チーズケーキのほうがタンパク質豊富で栄養面で◎。
冷たいアイスは胃を冷やすので、温かいドリンクと一緒に摂りましょう。どちらにしても、糖質たっぷりのデザートは太る原因に。太ることを気にする人は、飲んだあとのデザートは控えて、できれば代謝が上がる3時のおやつに食べるのが一番です。
太らないための飲み方・食べ方 ポイントまとめ
ドリンクもおつまみも糖質をセーブ
ペースを落として、ゆっくり飲んで食べる
飲み終わりの時間を決めておく
ご紹介した「太らない飲み方」は、肥満予防だけでなく、肝臓にもやさしい飲み方といえます。健康な体でお酒を楽しむためにも、気をつけてみてくださいね。
秋津医院
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