この記事の監修:ジョン・ムーアさん
地元の種を集め、次世代へとつなぐ
それは種子の多様性です。徳之島の人口は約2万5千人。島民の多くは農業で生計を立てています。それなのに、なぜ多様性が失われてしまうのでしょうか? 実は、ほとんどの農家は同じ種類のさとうきびとジャガイモだけを栽培していて、単一作物の畑が島の大部分を占めています。
かつては、食料を自給自足するのが当たり前で、徳之島では「アタイ」と呼ばれる自家菜園で、各家庭ごとに多種多様な作物を育てていました。
しかし、近代の工業的な農業と中央集約型のフードシステムにより、「商品」としての農作物を育てるように。種は、自分たちで採るものではなく、買うものへと変わり、多くの食料を島外から購入するようになりました。このような大きな時代の流れにより、地元で引き継がれてきた種は、姿を消そうとしています。
まずは、地元に残された種を探すところから始まります。現在では、地元で引き継がれてきた種の多くは、商業的に栽培されていないため、現役の農家さんではなく、おじいさん、おばあさんが家族のために育てているケースがほとんどです。
私は、地元の人の情報を頼りに「アタイ」で種をつなぐ人を探すことに。なかなか見つかりませんでしたが、幾日か聞き込みを重ね、ようやく地元の種をつないでいる人に出会うことができました。ここで私は、種だけでなく、素晴らしい島の文化に出会うことになるのです。その話は次回お話ししましょう。
ジョンさんからの一言
ジョンさんがアンバサダーを務めるオーガビッツとは?
orgabits
