“おうち時間”にほっと一息。本当においしい「紅茶の淹れ方」と健康効果

公開日:2020.4.23

更新日:2020.4.24

“おうち時間”にほっと一息。本当においしい「紅茶の淹れ方」と健康効果

紅茶を淹れるとき、なんとなくお湯を注いでいませんか? 「コーヒーもいいけど、私は紅茶派」という人に知って欲しい、本当においしい紅茶の淹れ方と健康効果をご紹介します。自宅で過ごす時間が増えた今、自分のために淹れた紅茶でほっと一息ついて、気分をリフレッシュ! 日本紅茶協会の田中哲さんに教えていただきました。

この記事の監修

田中 哲(たなか さとし)さん

日本紅茶協会常務理事。1955年生まれ。大手紅茶メーカーで、40年近く研究開発・原料購買・海外主要産地訪問など、紅茶ビジネスを広く経験。現在は、日本での紅茶の飲用を増やすべく、紅茶と健康や楽しみ方などの最新情報発信を行っている。日本紅茶協会ホームページで、「紅茶Labo.」企画編集、「紅茶見聞録」を執筆掲載中。

■日本紅茶協会
http://www.tea-a.gr.jp/

■紅茶Labo.
http://www.tea-a.gr.jp/labo/

紅茶をおいしく淹れるには? 4つの「黄金ルール」

ケーキと一緒にお店で飲む紅茶って、ものすごく香り豊かで、一口飲んだだけでほっとしますよね。ちょっとしたポイントを押さえれば、そんな味わい深い紅茶を自宅で楽しむことができます。ポイントは、「温度」「量」「時間」。紅茶のことを知り尽くした、日本紅茶協会の田中哲さんが、その“黄金ルール”を教えてくれました。
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おいしい紅茶の淹れ方

(STEP1)お湯はよく沸かす
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使うのは水道水でもOK。100度までしっかり沸かして、沸かしたてのお湯を使います。
(STEP2)ポットとカップを温めておく
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できればポットを準備して、ポットとカップにお湯を通して温めておきましょう。温かいポットを使うことで、茶葉がしっかり開いておいしい香りと味わいが出ます。これをやっておくだけで、できあがありに違いがでます。
(STEP3)適正な茶葉の量を使う
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1杯あたりティースプーン1杯(2.5~3g)の茶葉をポットに入れます。茶葉は多すぎると味が濃くなってしまうので、おいしい紅茶のためには量もポイント。
(STEP4)お湯を注いで蒸らす
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沸かしたてのお湯をポットに注いだ後、蒸らし時間をとります。ダージリンなどの茶葉が大きいものは3~4分、セイロンなどの茶葉が小さいものは2~3分を目安に。
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最後は茶こしを使ってカップに注ぎ分ければ、香り豊かなおいしい紅茶が完成!
ティーバッグの場合は?
ティーバッグの場合も、あたためたポットを使うとおいしさがアップ! 時間がなくてマグカップを使うときも、ティーバッグを入れた後、カップ用のフタや、なければソーサーなどで多少蒸らし時間をおくだけでも味わいが違います。

紅茶ポリフェノールが、血糖値・脂質をコントロール!

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ここからは紅茶の健康効果についてご紹介します。さまざまな健康効果が認められている紅茶。中でも注目したいのが、血糖値と脂質をコントロールする働きです。

食事を摂ると、血糖値が上昇します。炭水化物や甘い物などの糖質に偏った食事で、血糖値が高い状態が続くと、肥満をはじめ、メタボリックシンドローム、糖尿病などの生活習慣病につながります。

「紅茶に含まれる独自の成分『紅茶ポリフェノール』は、健康のカギとなる、血糖値の上昇を抑える働きがあります(※1)。食べたものは、アミラーゼなどの消化酵素で分解されますが、紅茶ポリフェノールには、この消化酵素の働きを阻害することがわかっています。つまり、摂取した糖質が分解・吸収されないまま排出されるため、食後血糖値の上昇をおさえると考えられています」(田中さん)

さらに紅茶ポリフェノールには、脂質をコントロールする働きも。

「アミラーゼと同じように、紅茶ポリフェノールが消化酵素のリパーゼの働きを阻害(※2)。脂質の多い油物や、甘い物を食べるときに紅茶を飲むと、脂肪の吸収を抑えてくれるのです。血糖値や脂質が気になる人や、肥満を予防したい人に、食事と一緒に紅茶を飲むことをおすすめします」

※1 参考:紅茶Labo.より http://www.tea-a.gr.jp/labo/topics/topics02.html
※2 参考:紅茶Labo.より http://www.tea-a.gr.jp/labo/topics/topics03.html

独自の製造で生まれる「紅茶ポリフェノール」

うれしい健康効果を持つ「紅茶ポリフェノール」は、紅茶ならではの製造工程で生まれるそうです。香り豊かできれいな赤色の紅茶ができあがるまでを、田中さんに教えていただきました。

紅茶ができあがるまで

(1)摘採(てきさい)
葉の手摘み作業。輸入している紅茶のほとんどが、アッサム種の葉からできています。新芽と2枚の若葉を手摘みします。
(2)萎凋(いちょう)
摘んだ葉に風を送り、水分を減らす工程。この工程で、紅茶の豊かな香りが準備され、さらに「紅茶ポリフェノール」が生まれます。
(3)揉捻(じゅうねん)
葉をもみます。この工程で、葉の組織細胞をもみつぶして酸化発酵を促進。茶葉に含まれる成分を溶け出しやすくします。
(4)発酵
味や香りなどが適度な状態になるまで、酸化発酵を進めます。
(5)乾燥
乾燥機に移し、熱風で乾燥させます。
(6)等級区分
茶葉をふるいにかけて形やサイズをそろえます。
(7)配合
安定した品質と価格で提供するために、茶葉をブレンドする工程。
産地でここまでの工程を経て、輸入されます。日本の一番多い輸入先はスリランカ。二番目がインド、三番目がケニア。紅茶は主に、赤道に近い亜熱帯地域で生産されています。

「緑茶も紅茶も葉っぱは同じですが、製造工程が違います。緑茶の場合は、摘採したらすぐ蒸気で蒸してきれいなグリーン色を残します。一方紅茶は、萎凋(いちょう)や揉捻(じゅうねん)の工程により、紅茶ポリフェノールが生まれ、豊かな香りや紅茶ならではの赤い色が作られます。葉っぱそのものの品質も大切ですが、この工程技術が高いほどおいしい紅茶になります」(田中さん)
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紅茶人気で、輸入量がアップ!

タピオカミルクティーブームや、ペットボトルの紅茶飲料が増えるといった流れから、紅茶市場はどんどん拡大しています。

「紅茶はほぼ海外から輸入しています。2018年の輸入量は、16,258tだったのが、昨年2019年は18,438tに。前年に比べて、113%に増加しました」と田中さん。

確かにコンビニでは紅茶ドリンクが増え、コーヒーチェーンでもおいしいメニューが定番になり、さまざまな種類の紅茶を楽しめるようになりましたね。

ブームの追い風になっているのは、ご紹介したような健康効果も知られてきたからではないでしょうか。毎日忙しくしていると、つい自分のために休憩するのを忘れてしまいます。自宅で過ごす時間が増えたいま、おいしい紅茶を淹れて、リラックスタイムを過ごしてみませんか。
イラスト/東山容子