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知らない間に進行している「大人のむし歯」――正しい歯のトリセツ

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提供/日本歯内療法学会

知らない間に進行している「大人むし歯」の原因は?

子どもの頃から歯医者さんに通って、ようやくむし歯を克服したと思っていたのに、年々、むし歯になりやすい口内環境になっているって知っていますか? 理由を聞けばもっともなのですが、ちょっとショック!

その理由の一つ目は、加齢や歯周病によって年々歯肉が下がっているために、露出した歯の根に歯垢が付着しやすいから。本来、歯肉で隠れている歯の根の表面は、エナメル質に覆われていないためにむし歯になりやすいだけでなく、進行も早いのです。

歯

また、二つ目の理由は、大人の口の中には、過去にむし歯治療した詰め物が多いこと。もしも歯と詰め物の下に虫歯菌が残っていたら、それからさらに深刻なむし歯が進行している可能性もあります。

それでなくても「大人むし歯」は痛みが出にくく、じわじわ痛んでくるといわれますが、むし歯治療にあたって神経を抜いていたとすると、詰め物の中がむし歯菌に冒されていても、痛みを感じずに深く進行しているかも……。

歯

さらに、加齢とともにだ液の分泌量が減るため、口腔内にむし歯菌が増殖しやすくなることも理由に挙げられます。その他、喫煙・飲酒なども大人むし歯になりやすい原因といえます。

「大人むし歯」ケアの基本は、“予防”と“歯を強くする”こと

自分では気づきにくいむし歯の早期発見のためには、定期的な歯科検診が必須です。自分では直接見えないところにできているむし歯や、将来むし歯になりそうな危険分子を取り除くことが、口腔ケアの基本になります。

さらに、自分でできるケアを行うことが大切です。

*自分でできるケア1 歯磨き

歯磨きの目的は、歯の表面や歯と歯のすき間、歯と歯茎のすき間などに付着した汚れを除去することにあります。

〈スクラビング法〉

歯垢を最も効率的に除去するためには、歯ブラシの毛先を歯の表面に直角に当て、歯ブラシが歯肉にも触れるようにします。水平に小刻みに動かしながら、奥歯、前歯、そして歯の裏まで、すべての歯を丁寧に磨きます。

歯

歯と歯の間の掃除には、デンタルフロスや歯間ブラシも有効ですので、歯ブラシと併用しながら、歯の掃除をすることをおすすめします。


*自分でできるケア2 食事


口の中の汚れを洗い流し、むし歯菌がすみにくい環境にするのは「だ液」。だ液をたくさん出すには、食事のときによく噛むことです。また、食べ物を噛むことも歯の表面の汚れを取り除くことになるため、よく噛んで食べることはよりむし歯予防になるのです。

ガムを噛むことは虫歯予防にもなりますが、砂糖が入っているとむし歯菌が酸を作りやすくなるため、砂糖ではなくキシリトールなどが使われたガムを選びましょう。また、長時間のだらだら食べは、口の中で常にむし歯菌が酸を作り続けていることになりますので、間食も規則正しく楽しむことです。

出典:Stephan RM, Miller BF. A quantitative method for evaluating physical and chemical agents   which modify production of acids in bacterial plaques on human teeth. J Dent Res. 1943;22;45-51. (41682)

via出典:Stephan RM, Miller BF. A quantitative method for evaluating physical and chemical agents  which modify production of acids in bacterial plaques on human teeth. J Dent Res. 1943;22;45-51.

砂糖が含まれていなくても、食品のほとんどにはむし歯菌のエサとなる糖質が含まれています。フッ素が含まれた歯磨き粉を適度に使用して、1日数回はすべての歯を徹底的に磨くことが重要です。

再治療はイヤ! だから、適切な歯科医を選びたい!

よく「神経を抜いたの」という声を聞きませんか。でも、ちょっと待って! 歯の神経は、血管と一緒になっていて、歯髄という管のようなやものに収まっています。ですから神経を取るということは、一緒にその部分の血管も取ることに。

歯髄は、虫歯菌の侵入を防御したり、血管を通して栄養を運んだりします。だから、神経を取ってしまった歯には栄養が届かず、脆くなり破折の原因となります。すでに歯髄まで細菌感染が認められ化膿していなければ、神経は取らない方がいいのです。

歯

むし歯の治療や歯髄を保護する治療、感染してしまった歯根の治療などは、とても難しいとされます。

もしも神経を取らなければならなくなったり、感染して膿んでしまった根の治療は「根管治療」といい、「歯内療法(しないりょうほう)」という技術になります。今後、再発して再治療になるかどうかは、この技術の差にかかっています。

再治療が繰り返された歯の末路は、当然入れ歯などのお世話にならなければなりません。少しでも再治療リスクが少ない専門医を選べるかどうかが、今後のQOL(生活の質)を高めることにつながります。

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イラスト/ナシエ

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