この記事の監修:ジョン・ムーアさん
社会的な「つながり」に目を向けてみよう
彼の帰りを気配で感じながら安堵したり、彼も私が出張から戻ると嬉しそうに迎えてくれたり。これはまさに、お互いの安全を見守るセキュリティーシステムと言えます。また、畑で多くとれた野菜を分け合ったり、お堂を一緒に掃除したり。村の人々は、互いを気遣い、支え合いながら暮らしています。
しかし、現代の住まいや暮らしのスタイルは、こうしたつながりよりもプライベートが優先されています。住居も個々のプライバシーが守られた、閉ざされた空間が当たり前となりました。そのため、地域の人とも触れ合うことが少なくなっています。近所の誰とも話さずに、1日を過ごした経験がある人も多いと思います。このようなつながりのない生活が、豊かな暮らしと言えるでしょうか?
この賞は、“建造物”ではなく、空間を通して自治的に地域の人々が交流しながら、持続可能な暮らしを実現させているかという、“活動”を評価するもの。人々が触れ合う空間を通し、交流したり、モノやコトを交換できる仕組みづくりを、地域に取り戻そうとする面白い動きです。この賞でも「つながり」は大切な要素となっています。
オーガニック(有機)の“機”の字は、機織り(はたおり)から来ているように、有機的な暮らしとは、様々なものが折り重なって成り立っています。地域の中で、お互いが影響を与え合っていることを忘れてはなりません。社会的な「つながり」の中で、互いに恩恵を受け取り、そして恩返しをしていく。それが未来を育み、本当の豊かさを与えてくれるエネルギーとなるのです。
ジョンさんも審査員として参加する 「ローカルリパブリックアワード」とは?
【LOCAL REPUBLIC AWARD】

ジョンさんからの一言
ジョンさんがアンバサダーを務めるオーガビッツとは?
orgabits
