この記事の監修:玉井仁さん
今回のお悩み:夫に対し、感情のまま接してしまう
例えば、私が仕事で疲れているのに家事を手伝ってくれないことがあり、イラッとしてしまいます。それがつい態度に出てしまい、そんな自分にもイライラ……。
私がイライラしていることに気づくと、夫は「どうしたの?」と話を聞いてくれるので、だんだん落ち着いてきます。
夫は私にとって、本当に大切な存在。夫を思いやり、おだやかに過ごしたいのですが、自分をコントロールすることが難しいと感じています。
玉井さんから回答:イライラではなく、要求を伝えよう
「態度に出る」のは、距離が近い証拠
でも、「態度に出る」「さらけ出す」というのは、お互いの距離が近い証拠です。
さらに、あなたは「イライラした妻から強く当たられている」状態の夫のことを気遣い、夫との関係をもっと良くしたいという気持ちを持っています。互いに思い合えている、すばらしいご夫婦です。
できるだけイラッとした感情をぶつけたくはない、というのはよく分かります。でも、「態度に出さないようにしよう」という気持ちから、自分の心の内を話さず我慢するようになるというのは、実はもっとも良くないこと。
大事なのは、「イライラ」ではなく、「要求」をきちんと伝えることです。
修復力を身につけ、夫婦関係をステップアップ
そんなときは「今、イライラ虫が暴れているの」「イライラ虫をおとなしくさせたいんだけど、手伝ってくれないかな」と、夫にあなたの状況と要求を伝えてみて。夫と一緒に、イライラ虫対策をしましょう。協力してくれる人がいると、対策もうまくなっていきます。
もしかしたら、夫に気を遣わせるんじゃないかと不安に思うかもしれません。でも、あなた自身も夫を大事に思っているからこそ、「態度に出ることが申し訳ない」と悩んでいるはず。お互いに思いやりを持てているのですから、心配しなくて大丈夫です。
長く一緒に暮らしていると、お互いのいろいろな感情や考え方のクセが自然と出てきます。それは関係が深まってきた証です。
そのような生活のなかで、相手との関係性や伝え方を調整していくことは、相手だけでなく自分自身の理解にもつながります。やり取りを積み重ねることで、相手のいろいろな面を許せるようにもなっていくでしょう。
イライラせずに生活をすることは難しいですし、人は誰でもイライラしてしまうもの。でも、「態度に出る」ような深い関係になれたのはすばらしいことです。
これからはうまく相手に要求を伝え、その都度、関係をスムーズに修復できるようになっていきたいですね。
そうすれば、ご夫婦の関係は、さらにステップアップしていきますよ。
今月のラク生きヒント:「考えない練習」をしよう
簡単にできる練習法を紹介します。今から5秒間で、周りにある「赤い色のもの」を探してください。
このように、「赤い色のものを探す」など、ひとつの能動的かつ具体的な課題を脳に与えると、脳はそのことに集中しやすくなります。
これがイライラの原因を掘り下げない、つまり“考えない”ことの練習になります。
練習をくり返すうちに、イライラに対する適度な調整力が身についていきますよ。
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