【連載】超意外! 頭を良くするDHAは「ドライアイ」と戦うのに効果的

公開日:2020.4.10

更新日:2020.4.10

【連載】超意外! 頭を良くするDHAは「ドライアイ」と戦うのに効果的

栄養に関する研究で世界をリードするDSM社の“ビタミン博士”こと乾泰地さんが、栄養が深く関わっている不調について教えてくれるこの連載。。第8回は「ドライアイ」です。ドライアイには、「頭に良い」といわれている「DHA」が関係しています。その理由と共に、私たちの目を潤すのに役に立つさまざまな栄養素をご紹介します。

この記事の監修

乾 泰地(いぬい たいち)さん

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栄養、健康、持続可能な暮らしの分野で事業を展開しているグローバル企業、DSM所属。同社のニュートリション サイエンス&アドボカシー APAC Northリージョナルマネージャー。薬学博士、一般社団法人 国際栄養食品協会 理事、英国 王立化学会 食品化学部会 理事。食品業界で10年以上、機能性食品や栄養、予防医学、咀嚼、歯科衛生といった食品と食べる機能の科学について研究、啓発にたずさわる。ヒトだけでなくイヌ、ネコの栄養、歯科に関しての経験もある。

■DSM
https://www.dsm.com/countrysites/japan/ja_JP/home.html

10秒間で「ドライアイ」をチェック!

スマホを使いすぎたり、夜になったりすると目が乾いている感じやゴロゴロするといった違和感はありませんか? そんな人は「ドライアイ」かもしれません。まずは簡単な10秒間のセルフチェック(※1)で、ドライアイかどうかをチェックしましょう。

【ドライアイチェック】
10秒間まばたきをせずに、目を開いた状態をキープしてください。心の中で10秒間数えても良いですし、タイマーを使ってもOKです。
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……いかがでしたか? 途中で我慢できずにまばたきをしてしまった人は、ドライアイの可能性があります。これまで自覚がなかった人も、10秒以内にまばたきしてしまったら目が乾きやすい状態かもしれません。

ドライアイとはアジア人に多く、日本人では3人に1人がドライアイの症状に悩んでいるといわれています。自覚がないだけで、実はすでになっている人も多いのです。

ドライアイになる原因とは?

そもそもドライアイは、涙の量の減少や、涙が乾いてしまうことにより、目の表面をうるおす力が弱くなった状態のこと。症状としては、目が乾いたり疲れたりしやすく、不快感や痛みが続きます。時には物がかすんで見えたり、目ヤニに悩まされることも……。(※1・※2)
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ドライアイになりやすいのは、スマホやパソコンを長時間使っている人が挙げられます。乾燥した場所に長くいる、たばこの煙を浴びやすい場所にいる人も注意が必要です。また、コンタクトの長時間の使用や薬の副作用で起こることもあります。(※1)

さらに、年を重ねるにつれて、ドライアイのリスクは高まります。それは年齢と共に、涙の分泌量や、目の表面に涙を留める力が低下するから。目の表面には水分が蒸発しないようにうるおいをキープする油があるのですが、その油を出す「マイボーム腺」の働きが衰えることも原因のひとつと考えられます。(※1)

目薬の使い過ぎも、要注意。目薬は文字通り「薬」なので、治療目的に応じて成分が異なります。誤解しがちですが、目薬だから目には何でも効く! というわけではないんですね(※1)。ドライアイ用以外の目薬の中には、涙の安定性を低下させたり、成分によっては使いすぎると角膜のダメージになったりすることも(※1)。特にドライアイは、防腐剤による影響を受けやすいので、目薬を使うときはなるべく医師と相談することをおすすめします。(※1)

このように日常の中には、ドライアイの原因が多く潜んでいます。

続いて、目を潤す働きを助ける栄養素をご紹介します。

ドライアイ対策には、ズバリ「DHA」

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ドライアイ予防に最も効果的なのが、「DHA」です。“頭が良くなる栄養素”として耳にすることが多いDHAは、「オメガ3脂肪酸」といわれる良質な脂肪の一種。体のあらゆる機能を細胞レベルで調整する働きをしているマルチプレイヤーです。

そんなDHAには、目の表面にある油の層を強化する働きがあります。水分の蒸発を防ぎ、予防に役立つのです。まだ研究途中ですが、まぶたのフチにある「マイボーム腺」の油の分泌を助けているのではないか、という説もあります。

「DHA」を多く含む食べ物って?

目にとって大切な働きをしてくれるDHAですが、年齢問わず多くの人が不足しています。積極的に摂取することが大切ですが、一体どの食べ物を食べたら良いのでしょう?

●「DHA」を多く含む食材
アジ・サバ・いわしなどの青魚
イカ
タコ
鮎 など
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DHAを効率よく摂取するには、青魚が一番です。なかなか魚を食べる機会が少ない人はサプリで補っても良いでしょう。

ビタミンやタウリンも積極的に

DHAの他に、「ビタミンB12」、「ビタミンD」、「ビタミンA」、「タウリン」もドライアイ予防におすすめです。「ビタミンB12」や「ビタミンD」が体内に十分にあると、目の痛みや不快感が軽減したという研究報告が出ています。また、「ビタミンA」や「タウリン」は、角膜の健康に関係があります。ビタミンAは目の奥の神経の感受性を上げる働きがあり、目にとても良い栄養素です。

それぞれの栄養素を多く含む食材を紹介します。スーパーで手に入りやすいものが多いので、ドライアイが心配な人は、日頃から積極的に摂りましょう。
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●ビタミンB12
豚肉(特に豚レバー)
牛レバー

いわし
貝類
すじこ
海藻類 など

●ビタミンD
しらす

サバ
しいたけ
まいたけ
キクラゲ など

●ビタミンA
鶏レバー
豚レバー
牛レバー
にんじん など

●タウリン
カニ
イカ
タコ
エビ
牡蠣
サザエ
魚介類 など

普段の習慣を変えてリスク減へ

DHAをはじめとした栄養素の摂取の他にも、日常習慣を少し変えることでドライアイのリスク減少につながります。

・意識してまばたきをする
・スマホやパソコンを長時間使すぎない
・暖房や冷房などによる乾燥に気をつける


日本人の約3分の1が悩んでいるというドライアイ。スマホやパソコンを使うスクリーンタイムを減らしたり、目をいたわることが大事です。それに加えてDHAなどの必要な栄養素の摂取で、目の潤いを助けることができます。今日からDHAをたくさん摂って、目の健康を保ちましょう。

出典/
※1…日本眼科学会ホームページ
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_dryeye.jsp
※2…ドライアイ研究会
http://www.dryeye.ne.jp/dryeye/index.html
イラスト/斉藤明子