91歳西本喜美子さんも登場「ヘルシーエイジングフォーラム」

公開日:2019.10.25

更新日:2019.10.25

91歳西本喜美子さんも登場「ヘルシーエイジングフォーラム」

世界有数の長寿国である日本。2065年の平均寿命は男性84.95歳、女性91.35歳になると予測され、100歳まで生きることが当たり前の社会がすぐそこまで来ています。そこで注目されているのが「健康寿命」。健康的で幸せに年を重ねるにはどうすればよいか、医学・薬学・生きがいの観点から考えるイベント「ヘルシーエイジングフォーラム」(主催:バイエル薬品)が10月16日(火)に東京・日本橋で開催されました。人気医師の小林弘幸先生や、91歳のインスタグラマー・西本喜美子さんも登場。その内容をレポートします。

健康に長生きする基本「ゆっくり生きる」とは?

「ヘルシーエイジングフォーラム」の構成は3部に分かれ、第1部は順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生による特別講演、
第2部は「おくすりとの付き合い方チェック」、
第3部は自撮り写真がSNSで話題のインスタグラマー・西本喜美子さんと息子でアートディレクターの西本和民さんのトークショーでした。
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まずは第1部の小林先生のお話から。題して「ヘルシーエイジングのすすめ~ゆっくり生きれば遠くまで行ける~」。自律神経の第一人者である小林先生は、健康を「質のよい血液を十分にひとつひとつの細胞まで流せること」と定義。

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現代人は自律神経のうち、交感神経が優位になりがちで、その結果血流が悪くなりやすくなること、自律神経を乱す大きな要素として気候があることなどをわかりやすく解説。なんと気圧の影響で血流は6分の1まで低下してしまうのだとか。
折しもイベントがあったのは台風が猛威をふるった直後とあり、低気圧による体調の変化を実感した人も多いようで、みなさんうなずきながら聞いていました。

血流をよくするためには副交感神経を優位にすることが大切、そのためには「1:2で長く吐く呼吸」「笑う」「朝食をとる(みそ汁がおすすめ)」「入浴やストレッチ」「睡眠」、そして「謙虚さ」「優雅さ」など、“ゆっくり” 生きて健康寿命を延ばすための具体的なコツもふんだんに紹介いただき、会場のみなさんでストレッチも実践。

最後に「健康で長生きするためには、病院に行くことも大切。診断がつくことを怖がって病院に行かない人がいますが、それは間違いです。2週間不調が続いたら受診してください」と締めくくりました。健康に気を付けている人に限って、病院嫌いの人も多いもの。毎日の生活でちょっと意識するだけで健康になれる方法を惜しみなく伝え続けているドクターからの一言だけに、重く感じられました。

年齢とともにおくすりが多くなるからこそ、かかりつけ医師・薬剤師が大切

第2部の「おくすりとの付き合い方チェック」は、参加者全員に「アナライザー」というスイッチを配って行われました。質問に対して答えると、すぐにそれが集計されて映し出される仕組みです。パネリストは国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターの薬剤師・溝神文博先生と、バイエル薬品メディカルアフェアーズ本部長の山中聡さん。
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質問は「現在、医師にもらっているおくすりがあるか」「おくすりを医師から言われている通り、決まった量を決まった時間・決まった回数飲んでいるか」「おくすりを飲み忘れたことがあるか」といった身近なものからスタート。
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おくすりは血中濃度が一定以上にならないと効かないものが多く、量やタイミングなどはリスクとベネフィットのバランスを見て国で決められたものなので、勝手に変更したりやめたりしてはいけないのだとか。

また、年齢を重ねるにつれ、複数の医療機関からさまざまなお薬をもらって、ポリファーマシーになる人が増えることについても言及。ポリファーマシーとは、薬の飲み合わせによる副作用や飲み間違い、残薬といった問題が起きる状態のことです。こうした状態を防ぐためにも、かかりつけ医師や薬剤師が大切。お薬を把握し、飲み合わせの悪いお薬やお薬の重複を防いでもらえます。

また、医師に処方してもらった薬だけでなく、自分で健康のために飲んでいるサプリメントでも薬との飲み合わせで副作用を起こすことがあるのだそう。かかりつけ医師や薬剤師に自己申告しましょう。

趣味に打ち込み、友人に囲まれて過ごす毎日が健康長寿の秘訣

第3部は「72歳から見つけた生きがい~イキイキとした100年人生へ向けて~」と題して、西本喜美子さん・和民さん親子のトークショーです。
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喜美子さんが写真を始めたのは、なんと72歳のとき。和民さんが主催している写真の塾に、友達に誘われて参加したのがきっかけだそうです。そこで写真にハマり、91歳の現在でも、毎日精力的に写真を撮り続けています。
トークショーは喜美子さんが撮影した写真を紹介しながら進行。

まずは自撮り写真です。
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撮影/西本喜美子
庭に干してあったご主人の洋服にもぐりこんで撮影してみた、というおちゃめな一枚。
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撮影/西本喜美子
ありえないスピードで走る喜美子さんの写真は、パソコンでの加工を喜美子さんが行ったものだそう。
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撮影/西本喜美子
これはなんと自宅の流し台で食材を撮影したのだとか。パソコンで加工することで幻想的な1枚に仕上がっています。

一人暮らしのお住まいには、写真を撮るためのスタジオまで自分で作り、パソコンで画像の加工もこなす喜美子さん。「100歳の自分へのメッセージは?」と聞かれて「写真は続けています。もし寝たきりになっても天井を撮っているかもしれませんねえ」と、にっこり。心から写真を中心とした毎日を楽しんでいることが伝わってきました。

元気の秘訣は、と尋ねられた和民さんは「まずは大好きな趣味を見つけられたこと、そして仲間がいること。仲間がいることで続いているのだと思います。そして定期的に発表する場があることも、モチベーションの源になります」と、環境づくりの大切さを強調。そうした環境をつくることで、だれでも喜美子さんのようにイキイキと過ごすことができると、力強く語りました。

喜美子さんは、このイベントのために、熊本から手押し車を押して、飛行機で東京にやってきました。
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愛用の手押し車。バッグも喜美子さんの手作りです。
「母の荷物は持ってあげたことがありませんし、一緒に歩くときも速度をゆるめません。重いものを持ったり、ちょっと速めのスピードで歩くことで筋肉を維持することができるんです。これも元気の秘訣ですね」と、和民さん。喜美子さんはトークショー終了後の撮影会にも参加、疲れた様子もなく、30人のファンと一緒に撮影、握手や会話を楽しそうにこなしていました。
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喜美子さんと和民さん。

人生100年時代に必要なのはアンチエイジングよりヘルシーエイジング

老けたくない、1歳でも若返りたいというのがアンチエイジングなら、自分の身体と心の健康を保ちながら年齢を重ねることを楽しむのがヘルシーエイジング。何歳になったら、ではなく、今からヘルシーエイジングを心がけることが、イキイキと年齢を重ねることにつながります。

正しい身体のメンテナンス法を身につけ、おくすりとの正しい付き合い方を知り、生きがいを持って生きれば、長い人生も怖くないと思わせてくれたフォーラムでした。