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脳の健康度を自分でチェック!「のうKNOW(ノウノウ)」/連載Vol.8

将来の認知症リスクにもつながる「脳の健康度」を知りたいと思いませんか? 製薬メーカーが発売した、家にいながらできるチェックツールについて取材しました。

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お話を伺ったのはエーザイの内藤景介さん

エーザイの内藤景介さん

執行役 ディメンシア トータルインクルーシブエコシステム事業部 プレジデント (兼)チーフデジタルオフィサー(インタビュー当時)。認知症とその社会課題に向き合い、ブレインパフォーマンスチェックツール「のうKNOW」(ノウノウ)の発売や認知症プラットフォーム「Easiit(イージット)」の開発等に携わる。

ブレインパフォーマンス(脳の健康度)を知ることが認知症予防の入口に

まずは「脳の健康度=ブレインパフォーマンス」について教えてください。これはエーザイさんが作られた言葉なんですよね?

内藤さん:そうです。今までは「ブレインヘルス」などと言われていましたが、ヘルスだと「維持する」というニュアンスが強いですよね。

それはそれで大事なことですが、日によって体調が違うように、維持していく脳の健康にもまた幅がある。

病気か健康かではなく、その間にもさまざまな状態があると考えると、健康な状態の中にももうちょっと良くする余地があるのでは、ということで「ブレインパフォーマンス(通称:ブレパ)」と呼んでいます。

─エーザイさんといえば、私たちにとっては「チョコラBB」のイメージです。なぜブレパを提唱し、ブレパがチェックできるツール「のうKNOW(ノウノウ)」を発売することになったのですか?

「のうKNOW」ブレインパフォーマンスインデックス

「のうKNOW」ブレインパフォーマンスインデックス
ブレインパフォーマンスのセルフチェック。「のうKNOW」は誰もが計測しやすく開発されたチェックツールです。

内藤さん:当社は約20年前にアルツハイマー型認知症に対するお薬を発売して以来、研究期間を含めると35年ぐらい認知症に取り組んできている認知症のパイオニアです。

もともと認知症は「ぼけ」と呼ばれていて、病気とも思われていなかった。それが病気と認められてお薬で対処できるものになり、さらに最近では運動や生活習慣の見直しによって、ブレパ低下のリスクを減らす可能性があることが明らかになってきました。

我々はお薬だけでは認知症対策にならないと考え、予防につながる日常生活での行動を促すような様々な取り組みを始めています。その一つが「のうKNOW(ノウノウ)」です。

脳の健康にいい生活は、体にもいい生活

─ 「のうKNOW(ノウノウ)」は、脳の健康状態をパソコンやタブレットで手軽にブレパをチェックできるツールです。どのように活用すれば効果的ですか?

内藤さん:一般的には、体の健康はまったく問題がないのに認知症のリスクだけが飛びぬけて高いということはあまり考えられず、ブレパは生活習慣と密接な関係があります。

そこで、「のうKNOW」で自分のブレパを知ることにより、生活習慣を改善するきっかけになる→その結果ブレパが改善するというように、自然に認知症の予防行動が習慣化することが期待されます。

脳の機能は40代~50代から低下してくるといわれ、また、糖尿病などの生活習慣病と認知症の関連も明らかになっていますから、認知症が気になる高齢者だけでなく、生活習慣病が気になる40代~50代からブレパチェックを習慣にするとよいと思います。

─認知機能のチェックに関してはさまざまなアプリが出回っていますが、「のうKNOW(ノウノウ)」は製薬メーカー発ということで信頼感があります。

内藤さん:「のうKNOW」は、海外では治験や医療機器でも広く使われている、オーストラリアのCogstate社が作った認知機能チェックツールがもとになっています。それを弊社が日本向けに非医療用のブレパのチェックツールとして新発売しました。医療用としての開発は別途検討中です。

─現在は企業向けに提供されているようですが、個人でも使えるようになるのでしょうか?

内藤さん:2020年中には、個人でも受けられるようにしていく予定です。すでに自治体の健康度測定に組み込まれたり、他の健康管理アプリでも「のうKNOW(ノウノウ)」ができるようにテストしたりしています。

「のうKNOW(ノウノウ)」が普及することで、「ブレパ」が「メタボ」のようにひとつの健康指標として定着し、「ちょっと最近、ブレパが悪くて…」「よく寝ているんだけどブレパがね…」などと日常生活で話題にできるようになれば、脳も体も健康でいられるような生活習慣が自然に目指せるのではないかと考えています。

実際に「のうKNOW(ノウノウ)」を受けてみました!

編集部員も「のうKNOW(ノウノウ)」を使って、ブレインパフォーマンスをチェックしてみました。


説明動画を見たら必要事項を入力し、まずは練習

説明動画を見たら必要事項を入力し、まずは練習

これが「のうKNOW(ノウノウ)」のトップ画面。チェックの流れについての短い説明動画を見たら、生まれた年・月、性別を入力します。まずは答え方の練習画面で慣れてから行うので、本番では緊張せずに答えられます。

のうKNOW(ノウノウ) トップ画面

チェックはすべてトランプカードを使ったもの。カードが自動的にめくられるので、「はい」か「いいえ」で答えていきます。

チェックは4種類。かかる時間はトータル約15分

チェックの内容は「脳の反応速度チェック」「注意力チェック」「視覚学習チェック」「記憶力チェック」の4種類です。

「答えがわかっていたのにキーボードを押し間違えた!」「集中力が途切れて…」といったことも含めて今日の脳の状態なので、やり直していい点をとりたい気持ちを押さえて最後までやることが大切。とはいえ記憶力チェックでは思いのほか間違いが多く、ちょっと落ち込む…。

チェック終了! その場でブレパがわかり、生活アドバイスも

ブレインパフォーマンス インデックス

55歳編集部員は、とりあえずのA判定にホッ。ただしブレインパフォーマンスは生活習慣などにより変動するので、月1回など定期的にチェックするのがおすすめなのだとか。

「のうKNOW」は公的な臨床試験でも採用されるような認知機能テストがもとになっていると聞いて、もっとハードな内容を覚悟していたのですが、トランプカードだけを使ったシンプルなチェックなので、月1回ぐらいなら、忙しい人でも無理なくできそうです。

定期的にチェックすれば、自分のブレパの平均点が把握でき、いつもと違う場合はその原因を探り、改善することができます。

結果に合わせた生活アドバイスを実行して、1カ月後にまた受けてみたいと思いました。

「のうKNOW」ブレインパフォーマンスインデックス

「のうKNOW」ブレインパフォーマンスインデックス
ブレインパフォーマンスのセルフチェック。「のうKNOW」は誰もが計測しやすく開発されたチェックツールです。

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