ストレスを解放する「最高の睡眠」は、姿勢リセットから

公開日:2019.11.12

更新日:2019.12.6

ストレスを解放する「最高の睡眠」は、姿勢リセットから

ストレスオフ・トレーナーの吉野あき子さんが、心と体を軽くするさまざまな方法をアドバイスしてくれるストレスオフ連載。第2回のテーマは、「睡眠と姿勢改善」です。ストレスの蓄積を防ぐために最も大切なのが睡眠。実は、質の良い睡眠のためには日中の姿勢改善がポイントなのです。

この記事の監修

吉野 あき子さん

美容医療カウンセラー、美容アドバイザーを経て、現在はメディプラスのストレスオフ・トレーナーとして活躍。ストレスを軽減するためのヨガやマインドフルネス瞑想、睡眠改善などをイベントや講座などでアドバイスしている。睡眠改善インストラクター、全米ヨガアライアンス認定 ヨガインストラクター、シニアヨガインストラクター、リストラティブヨガインストラクター、チェアヨガインストラクター、マインドフルネス瞑想療法士、ヨガニードラセラピスト、ホームケアヘッドセラピストの資格を持つ。

睡眠不足は「ストレスの悪循環」にハマる

ストレスオフとは、一時的に発散する「ストレス解消」とは異なり、ストレスが溜まらないように事前予防していくことをいいます。ストレスオフのために、さまざまな方法がありますが、中でも睡眠は、毎日誰にでも簡単にできる、最高のストレスオフです。

しかし、国際調査によると、日本人女性は先進国の中でも睡眠時間が短いといわれています。まだまだ、家事や育児などの分担が進んでいない日本では、特に働く女性がよく眠れていない傾向にあります。
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睡眠不足だとストレスのダメージを受けやすい

睡眠が大切な理由には、ストレスホルモンの分泌が関係しています。睡眠中、体の中ではストレスと戦うホルモン「コルチゾール」が分泌されます。このコルチゾールは、睡眠中に分泌される量が少ないと、日中のストレスによる体へのダメージが大きくなります。反対に十分な睡眠がとれていれば、コルチゾールがしっかり働き、ストレスから体を守ってくれるということ。

また、睡眠時間が短いと、集中力が低下したり、小さなことにイライラしやすくなったりします。ストレスは、多くの人が人とのかかわりの中で感じています。睡眠不足によって周囲とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、仕事のパフォーマンスが落ちたりすると、それがますますストレスになるという悪循環に…。

だから、毎日十分な睡眠をとることが何よりもストレスオフに重要なのです。

質の良い睡眠とは?朝の目覚めでチェック!

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ところで、“質の良い睡眠”とは何を指すと思いますか?休日にぐっすり8時間眠ったのに体がだるいと感じるときはありませんか?睡眠は、十分な量をとることはもちろんですが、それよりも“質”がカギを握っています。質の良い睡眠がとれたかどうかは以下の2つで分かります。

【CHECK】
□朝起きたときに、ぐっすり眠った感じがある。目覚めがすっきりしている
□日中眠気がなく、快適に過ごせる

この2つを実感できれば、ストレスオフにつながる質の良い睡眠がとれているということ。ちなみに、一般的にベストといわれる睡眠時間は7時間。

しかし、必要な睡眠時間は年齢によっても違い、個人差があるので、ご紹介した2つのチェックを目安にしてみましょう。自分のベストな睡眠時間を見つけるには、1~2週間、毎日同じ睡眠時間をとってみてください。「体が軽い」「パフォーマンスが上がった」と実感できるのは何時間なのか探すことをおすすめします。

夕方の体温アップが、夜の快眠のカギに!

私たちの体は、一日の中で体温が上がったり下がったりしています。体の中心の「深部体温」が上がると活動的になり、低くなると自然と眠くなる性質が備わっていて、朝起きてから約11時間後の夕方頃が最も高い体温になります。

実はこの体温の上昇が、眠りのためのポイント。ぐっすり眠るためには夕方の体温をしっかり上げておき、夜にかけてジェットコースターのように勢いよく体温が下がることで、スムーズに入眠でき、質の良い睡眠をとることができるのです。

そこで夕方の体温をアップさせるのに効果的なのが、筋肉を動かして血流を促す「姿勢改善エクササイズ」。特に、大きな筋肉がある肩甲骨周りを動かす運動がおすすめです。

体温を上げる「姿勢改善エクササイズ」

ここからはデスクワークの合間や、トイレに立ったときにできる「姿勢改善エクササイズ」をご紹介します。

筋肉は形状記憶効果があるため、エクササイズを交えることで自然と良い姿勢になります。姿勢が良くなるだけで、なまけていた腹筋や背筋が自然と使われるので、体中がポカポカになり体温が上昇。代謝もアップするので、睡眠への効果だけでなく、スリムな体型をキープするのにも役立ちます。

まずは、いつもの姿勢をチェック!

「姿勢改善エクササイズ」を始める前に、今の姿勢をチェックしてみてください。

【姿勢チェックのやり方】
両手を体の横に置いて姿勢良く立つ。体を「右・左・右・左…」と回転させ、両腕を大きくブラブラと揺らす。10往復くらいしたら体の動きを少しずつ弱め、両腕が自然と止まるまで待つ。

この手の止まった位置が、普段の姿勢を表しています。手の甲が前に向いている人は猫背気味、手の甲が横に向き、太ももの真横で止まった人は良い姿勢です。

次からご紹介する「姿勢改善エクササイズ」で、姿勢を改善すると共に、体温をアップさせましょう。

エクサ(1) 座ったまま「肩甲骨エクサ」

体温を上げる姿勢改善エクササイズ

座りっぱなしなど、同じ姿勢で固まった肩甲骨を寄せて動かし、血流をアップ。背中の大きな筋肉を使うので効率よく体温が上がります。
(1)両腕を上げてひじを曲げ、肩の高さに。
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(2)ひじの高さはそのままで、肩甲骨を背骨に寄せる。
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(3)ひじを下に引きながら、肩甲骨をグッと背骨に寄せる。(2)、(3)をテンポ良く20回繰り返し、これを2セット行います。これだけで全身がポカポカしてくるはずです。
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エクサ(2) 一瞬にして美姿勢に「ぴょんぴょんジャンプ」

ぴょんぴょんジャンプ

肩を固定してジャンプすると、体幹軸が整い、前かがみだった重心が後ろに引っ張られて、パッと美しい姿勢に。トイレに立ったついでにこっそりやってみましょう。
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胸の前で腕をクロスして、肩に手を置く。そのまま、リズミカルに20回ジャンプ。これを2セット行います。手をはなすと、後ろに重心が引っ張られ、自然と胸を張った姿勢に。この姿勢にリセットできると、腹筋と背筋が使われて、もっと体温も上がりやすくなりますよ。

エクサ(3) 会議中もバレない?「こっそりポカポカ姿勢テク」

お腹や肩を動かすことで、猫背になりがちな姿勢も美しく矯正。デスクワークの合間に、座ったままさりげなくできちゃいます!
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まずは、お腹をへこませて持ち上げる「イン&アップ」をします。その後に、背中を寄せて肩を外側に回しながら落とす「ロールダウン」を。気づいたときに、この姿勢をキープするだけでOK。

このように、ご紹介した「姿勢改善エクササイズ」で夕方の体温を上げることは夜ぐっすり眠るためのポイントになります。

まだある! ストレスオフのための快眠テク

質の良い睡眠のためには、夕方の体温アップの他にも大切なことがあります。それは、朝起きたときから始まっています。朝・昼・夜に分けてご紹介します。

(朝)太陽の光を浴びる

目が覚めたら、まずはカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。朝の強い光を目に入れると、脳に刺激が伝わり、約16時間後に眠くなるという睡眠スイッチが入ります。すると、夜には自然と眠気がやってくるのです。カーテンを開けた窓際で、メイクしたり朝食をとったりするだけでもOK。

(昼)日光浴&噛むことが眠りにつながる

昼間は、なるべく外に出て日光に当たったり、ウォーキングなどのリズミカルな運動で体を動かしたりするのがおすすめです。これらは、幸せホルモンと言われる「セロトニン」を分泌させることが分かっています。

セロトニンは、夜になると睡眠を促すホルモン「メラトニン」に変わります。メラトニンは、体をリラックスさせる効果も。また、よく噛むこともセロトニン分泌につながります。日中にしっかりホルモン貯金をしておくことが、質の良い睡眠につながります。

(夜)「睡眠ホルモン」をキープ

つい寝る前に見てしまいがちなスマホやパソコン。スマホやパソコンの強い光は、脳を目覚めさせて睡眠を促すメラトニンを減らしてしまいます。また、情報を頭に入れることは、せっかく睡眠モードに切り替わった脳に刺激を与えます。ちなみに、寝る前に仕事のメールを1通読んだだけで、脳はエスプレッソを2杯飲んだときと同じくらい覚醒した状態になるといわれているんです!

そして、脳は、場所と行動をセットにして記憶するため、ベッドで眠る以外のことをするのは眠りの妨げになります。ベッドでは眠ることだけを優先して「ここは睡眠をする場所だよ!」という記憶を作ってあげましょう。


このようにストレスオフは、質の良い睡眠から始まります。睡眠が十分でなければ、他のどんな方法も効果は半減。そのために、ご紹介した「姿勢改善エクササイズ」や「快眠テク」を、どれかひとつでも良いので今日から取り入れてみましょう。
取材・文/廣瀬 茉理 撮影/代 和佳子