更年期は、女性が“妊娠しない体”というステージへ立つための準備期間。これから始まる第二の人生をもっとステキにするための、輝かしい通過点です。しかし、この時期には女性ホルモンの変化に伴って、更年期障害に悩まされることも。ホットフラッシュやイライラ、不眠やうつなど、つらい症状を軽くするコツを紹介します。
この記事の監修
堂園涼子さん
インターナショナル・メディカル・クロッシング・オフィス所長。カウンセリング重視の診療を取り入れ、患者からの信頼も厚い。著書に『新版更年期かしら』(世界文化社 ¥1,512)他
宇江佐りえさん
メノポーズカウンセラー、エイジングスタイリスト。タレントとして活躍後、メノポーズカウンセラー資格保持者として、更年期からのウェルネスビューティーの企画や講演などを行っている。
著書『幸年期メソッド』(自由国民社¥1,404)は、35歳からの女性向けの親しみやすい内容。
個人差が大きい更年期障害
更年期は平均的に、45~55歳までの10年間。更年期障害は、女性全員に同じように現れるのではなく、個人差が大きいもの。ほてりや疲労感、イライラなどの症状を強く感じる人もいれば、まったくない人も。また閉経してからも、長く症状が続く場合もあります。
つらい症状があっても、「病気じゃないから」と日本女性はがまんしがちです。婦人科を受診して相談したり、セルフケアをするなど、自分で症状を軽くする行動を起こして、更年期をハッピーに過ごしましょう。
婦人科でホルモン補充療法にトライ
更年期は心も体もデリケートな時期。思い切って受診したのに医師との相性がいまひとつなら、クリニックを変えてみて。症状を軽くするためには、相性の良い先生を探して、遠慮なく相談することが何より大切です。
婦人科での主な治療は、飲み薬や貼り薬による「ホルモン補充療法(HRT)」。日本ではまだ普及率が低いのですが、症状がウソのように治まる人も。この療法で心配される乳がんや子宮がんは、定期検診で早期発見が可能です。まずは主治医と相談しましょう。
漢方・ハリを積極的に取り入れて
更年期障害は、東洋医学とも相性が良いのです。ホットフラッシュや手足の冷え、不眠やうつには漢方やハリ治療がおすすめ。ただしどちらも作用はおだやかなので、気長に最低3ヵ月は続けるようにしましょう。
プラセンタサプリを活用
手軽に摂り入れられるサプリは頼れる味方。症状を緩和するためには、プラセンタのサプリがおすすめです。うつやのぼせ、肩こり、動悸など更年期特有の症状のほか、シミやしわなど肌への効果も期待できそうです。
呼吸法でリラックス
イライラが止まらないとき、簡単な呼吸法が意外に効きます。目を閉じて肩の力を抜き、ゆっくり13数えながら鼻から息を吐く。次に10数えながら鼻からゆっくり息を吸います。自然と深い呼吸になって、気持ちを鎮めてくれますよ。
たんぱく質はうつ防止に効果的
体を作るもとになり、女性ホルモンの原料でもあるたんぱく質は、毎日摂りましょう。豆腐にカツオ節など、動物性と植物性をあわせると必須アミノ酸を効果(率)的に摂取できます。。そして、肥満の元になる糖質は控えめが絶対おすすめ。うつ病や生活習慣病を引き起こす原因にもなります。
湯たんぽ、保冷剤を活用
顔や首はほてっているのに、手足が冷えるのは、体の熱にばらつきがあるから。お腹や背中、お尻など大きな筋肉がある部位を湯たんぽで温めると、巡りがよくなり全身の熱が均一になります。
ほてり対策として、外出のお供には、保冷剤をバッグに忍ばせましょう。電車の中や、歩きながら、いつでも脇の下や首の裏にあてると、ほてりやのぼせがラクになりますよ。
下着は天然素材。Tバックに挑戦!
肌が敏感になるので、下着は綿やシルクなど天然素材を。縫い目が気になるなら、裏返しで着ちゃいましょう。意外ですが、脚のつけ根を締め付けないTバックは、更年期世代にこそおすすめ、挑戦してみて。
イラスト/シュクヤフミコ
(からだにいいこと2017年2月号より)