映画『Fukushima50』あらすじ
巨大地震と大津波に襲われた福島第一原子力発電所・通称イチエフは非常用を含む全電源を失い、原子炉を冷やすことができない状態に陥りました。このままではメルトダウン(炉心が高温になり、核燃料の入った容器が溶け出すこと)を起こし、撒き散らされた放射能によって東日本全体が壊滅状態になってしまう…そんな状況で、1・2号機の当直長だった伊崎利夫(演:佐藤浩市)ら現場作業員は、原子炉を制御すべくあらゆる手立てを試みます。
作業員たちを含む全体を指揮したのは、福島第一原発の所長だった吉田昌郎(演:渡辺謙)。悪化し続ける状況の中、彼らは最後の手段「ベント(※)」に挑みます。
※ベント…原子炉の格納容器内部の蒸気を外へと排出し、圧力を急激に下げることで、容器の破裂を防ぐ緊急措置。ただし、周辺地域に放射能による汚染をもたらしてしまうという難点もあります。
すべての人が知るべき「真実の物語」
2020年の私たちは、ちょうど9年前のあの事故が甚大な被害をもたらしたものの、最悪の事態には繋がらなかったことを知っています。けれど当時の作業員たちは、いつ終わるとも知れぬ不測の事態と戦い続けました。故郷である福島や、家族をはじめそこで暮らす人たちを守るために、彼らは命を犠牲にする覚悟をしていたのです。
そのことは、今を生きる私たち全員が知っておかなければならない真実だと思います。
原作のクライマックスを試し読み
「皆さんに会うのはこれで最後」だと思った、という佐藤。現場に残る判断をした吉田たちも、命を失う覚悟をしていたことでしょう。一つひとつの描写からその様子が伝わり、たった8ページを抜粋した“試し読み”でも胸に響くものがありました。
原作『死の淵を見た男』で知る、極限の闘い
原作は、2011年3月に起こった出来事そのものと、関係者たちによる述懐とが織り交ぜられた構成になっています。
「極限の状況で戦った」「勇気ある50人」と言うと、あたかもスーパーヒーローが日本を救ってくれたように聞こえます。しかしそこにいたのは、私達と同じごく普通の人たちでした。450ページ以上にわたる大作ですが、何度も心を揺さぶられながら一気に読んでしまいました。
映画は3月6日(金)公開、原作は好評発売中!
映画は3月6日(金)に全国で公開されます。また、門田隆将による原作『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』は角川文庫より発売中です。
映画公式サイト
https://www.fukushima50.jp/