この記事の監修
乾 泰地(いぬい たいち)さん
変化した食生活で、栄養素も不足
“巣ごもり”生活が続き、栄養のバランスや生活リズムが乱れてしまった方も多いことでしょう。食生活や生活リズムの乱れにより、体の中では免疫に必要な栄養素が不足していることも考えられます。例えば、食生活が乱れることで、免疫力を上げる「ビタミンC」など免疫にかかわる栄養素が減ってしまうという調査結果も。今こそ、口に入る食べ物からの力で、免疫を上げておかなくてはいけません。
人間に備わった「免疫」とは?
一つ目は、体内に病原菌などが侵入しないように、壁をがっちり固める物理的な防御です。皮膚もそうですし、目や口、胃腸などは粘膜が覆ってガードしています。
二つ目は、体内に入ってきた得体の知れないものをやっつける「自然免疫」。三つ目は、以前出会ったことのある病原体にすばやく反応する「獲得免疫」で、ワクチン接種もこれにあたります。どれも健康な体には欠かせない仕組みです。
これらの免疫の力を高めるためには、どんな栄養素が必要なのでしょうか?
免疫力アップのための栄養素
色んな病気に関係する「ビタミンD」
そのため多くの研究が行われており、ビタミンDの栄養状態が結核や風邪の症状に関係しているという研究結果もあるのです。さらにビタミンDは筋肉の維持に関わっているので、運動不足になりがちな生活に欠かせない栄養素。ビタミンDは太陽を浴びると体内で生成されますが、外出を控える生活が今後も続くと十分な量が生成されない可能性もあります。
●「ビタミンD」を多く含む食べ物
しらす
鮭
サバ
しいたけ
まいたけ
キクラゲ など
免疫作用による体への攻撃を防ぐ「ビタミンC」
また、ストレスの多い生活を送ると活性酸素が発生しやすくなり、体内のビタミンCが減少。病気にかかったときには、細胞内のビタミンC濃度がさらに下がります。そのためにも、ビタミンCを常に多めに摂って蓄えておきましょう。
●「ビタミンC」を多く含む食べ物
ピーマン
キャベツ など
免疫細胞を元気にする「亜鉛」
●「亜鉛」を多く含む食べ物
牡蠣などの貝類
病原菌と戦う炎症作用をコントロール「オメガ3脂肪酸」
それを防いでくれるのが「オメガ3脂肪酸」。オメガ3脂肪酸は、生活習慣病を予防するとも言われている良質な脂肪酸で、魚などに多く含まれています。
●「オメガ3脂肪酸」を多く含む食べ物
アジ・サバ・いわしなどの青魚
イカ
タコ
鮎 など
病原体を鉄壁ガード「ビタミンA」
●「ビタミンA」を多く含む食べ物
レバー
にんじん(色の濃い野菜) など
病気と戦う戦力になる「タンパク質」
しかし、細胞の原料とも言えるタンパク質が不足すると、せっかくビタミンなどが免疫を作ろうとしても上手くいかず、病原体と戦うパワーが落ちてしまいます。
なお、タンパク質の働きには、今回ご紹介していないビタミンB群をはじめ多くの栄養が関与していますので、やはり満遍なく栄養を摂取することが大事ですね。
●「タンパク質」を多く含む食べ物
肉類(特に、レバー)
魚類
大豆食品
乳製品 など
ストック食材でも栄養は摂れる
実は、生の野菜と比べても、代表的な栄養素はほぼそのまま。日持ちする野菜とあわせて、冷凍野菜も活用すると良いでしょう。
また同様に、長期保存可能な魚の缶詰めもおすすめ。生魚とほぼ変わらず、ビタミンDやオメガ3脂肪酸を摂ることができるので、ストック食材を上手に活用して、免疫力を高めましょう。
免疫力アップには朝ごはんが大切
以前の日常を少しずつ取り戻しつつある状況ですが、感染症のリスクはまだまだ消えてはいません。ウイルスに負けないために、日頃から必要な栄養素を摂取し、免疫力を上げておきましょう。もちろん、それを習慣化するためには食事を楽しみながらいただくことも大切です。
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