【連載】ストレスに「強い人・弱い人」の違いって?マネしたい考え方と習慣

公開日:2021.1.18

更新日:2021.2.25

【連載】ストレスに「強い人・弱い人」の違いって?マネしたい考え方と習慣

ストレスの原因は、人間関係にあることがほとんど。対人ストレスに「強い人」と「弱い人」の違いを知って、上手な関係性を作れる“考え方と習慣”を取り入れましょう。

この記事の監修

大野萌子さん

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日本メンタルアップ支援機構 代表理事。メンタルアップマネージャ(R)、産業カウンセラー。企業の健康管理室カウンセラーとして、数多くの働く人を支えている。長年の経験を活かし、人間関係改善のコミュニケーション術やストレスマネジメントについて、講演・研修などを行う。近著『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)。

日本メンタルアップ支援機構
https://japan-mental-up.biz

イライラの原因は、ほとんどが「対人ストレス」

メンタルアップマネージャ(R)の大野萌子さんに人間関係でストレスをためない方法を教えてもらうこちらの連載。第16回目のテーマは、「ストレスに強い人・弱い人の違い」です。
私たちのストレスのほとんどは対人関係にあると言われています。でも、同じような状況や環境におかれても、それをストレスと感じてしまいイライラしたり落ち込んだりする人と、ストレスと感じない人がいるのも事実。小さなことにイライラ、クヨクヨせず、「ストレスに強い人」になることができれば、心も体も健康でいられます。
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では、ストレスに強い人、ストレスに弱い人には、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。一番大きな違いは、人との距離感や自分軸の持ち方にあるといえそうです。

【3タイプ別】対人ストレスに弱い人の特徴は?

対人ストレスに弱い人は、3つのタイプに大きく分類できます。まずは、自分が対人ストレスを感じている“原因”を知ることが、ストレスに強くなる対処法を見つけるヒントに。あなたはどのタイプに当てはまりますか?

(1) 人の顔色を伺って流されるタイプ

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いつも自分の気持ちや考えを飲み込んで、相手や周囲の主張に合わせてばかり。そんなふうに普段から人の顔色を伺って自分の考えを主張しない人は、人との関わりで常に我慢をして、心に負荷がかかっています。

「違う意見を主張すると悪いかな…」とか、「こんなことを言ったらどう思われるか心配…」という気持ちが先に出てしまい、結果的に人の意見に振り回されてしまいます。それが自分の中にストレスとして溜まっているタイプです。

(2) 「〜すべき」で頑張りすぎる空回りタイプ

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人に頼まれたり相談されたりすると、自分がなんとかしようと、人一倍頑張ってしまうあなた。お人好しで姉御肌なところがあるため、気が進まないことでも頼まれると断れず、無理をしがちです。そのため、必要以上に頑張りすぎて、人に対しても「〜すべき」と押し付けてしまうことに。

自分が頑張っているのに周りが評価や感謝をしてくれないことに、無力感や腹立たしさを感じることも少なくありません。そうした“空回り”が人間関係をギクシャクさせてしまい、余計にストレスを感じてしまいます。

(3) 相手の負のパワーにやられがちな敏感さんタイプ

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人の気持ちや状況を繊細に感じ取ってしまう敏感なタイプの人は、相手のマイナスな感情やパワーも自分のことのように受け止めてしまいます。

人の悪口や悲しみ、怒りなどを目の当たりにすることで、自分の気持ちも不安定になってしまい、人と一緒にいることがキツく感じてしまいます。そのため、人との距離感がうまくつかめなくなり、人といるだけでストレスを感じたりするように。

ストレスに強い人がやっている考え方と習慣「5つのポイント」

対人ストレスに弱い人は、ストレスに強い人の“考え方や習慣”をマネすることが、克服への近道です。ストレスに強い人が自然にやっている5つのポイントをご紹介します。できることから始めてみましょう。
(1)「私は私、あなたはあなた」と切り分けられる
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ストレスに強い人は、「I’m OK, You’re OK(私もあなたもそれぞれが違うけど、お互いがそれでOKと認め合える)」ということを、感覚的に理解しています。

余計なストレスを感じないためには、「自分の問題と相手の問題は別」と、割り切って考えられることが大切。自分と相手の、感情や行動を一緒にしないことが、ストレスから自分を守るコツです。
(2)結果よりもプロセスを楽しめる
ストレスに弱い人は、結果を求めるあまりに上手く行かないとすべてが八方塞がりだと感じてしまいます。

例えば、山登りで山頂にたどり着くことだけが目的だと、たどり着けないときはすべて失敗となってしまいます。

一方で、ストレスに強い人は例えるなら、山登りの過程を楽しめる人。途中の風景や仲間との会話を楽しめるので、たとえ山頂にたどり着けなくても、有意義な経験ができたとポジティブに受け止めることができます。

このように結果だけにこだわらず、そのプロセスを楽しむようにすることで、ものごとを前向きに考えられるようになり、ストレスにも強くなります。
(3)「〜ねばならない」にとらわれない
ストレスに強い人は、「こうしななければ」という固定観念に縛られず、自由な発想でものごとをとらえることができます。そのため、余計な対人ストレスを感じずに済むのです。

また、自分のやりたいことがしっかりとあるのもストレスに強い人の特徴。そのため、トラブルが起きても「なんとかしなくては…」と焦るより、「どうしたら解決できるか」を優先して考えることができるのです。
(4)気分転換できる方法を持っている
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ストレスを感じても自分なりの気分転換で、気持ちを立て直せるのが、ストレスに強い人。音楽を聞く、おいしいケーキを食べる、散歩にでかけるといった、すぐにできる自分なりの気分転換を持つことは、ストレスに負けない心の武器となります。

そのためにも、普段から自分がどんなことが好きなのか、知っておくことが大切。ストレスに弱い人ほど、防衛本能で自分の感情に鈍感になっています。

自分がどんなときに「うれしい」「悲しい」と感じているのか。心の動きを知っておくことが、気分転換となる「好きなこと」を見つけるコツです。
(5)一人の時間を大切にできる
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ストレスに強い人ほど、一人の時間を大切にします。誰かと一緒に過ごす時間は楽しい反面、大なり小なり気を使ったり、ストレスを感じたりするもの。

そんな環境から開放されて、誰ともつながらない自分だけの時間を意識的に持つと、心の疲れも自然とリセットできます。

一人の時間を大切にすることは、自分を大事にすることでもあります。自分自身としっかり向き合って自分の心が心地よい状態を保つことが、人間関係のストレスを忘れさせてくれるでしょう。

ストレスに弱い人に必要なのは「自分軸」

ストレスに強い人の特徴をみていくと、「自分軸」がしっかりあるのがわかります。

逆に、ストレスに弱い人は自分の気持ちよりも、人からどう思われるかという「他人軸」を必要以上に気にしています。「好かれたい」「よく思われたい」と思いう気持ちが強く、相手の言葉や行動に傷つきやすくなるのです。

例えば、食事に誘われたときに気が進まなくても、「断ったら悪い」と思うのは「他人軸」。「自分軸」は、あくまでも「自分が行きたいかどうか」で判断します。

また、上手に心のストレスを発散することも大切。イライラすることを紙に書き出して破り捨てると、自分の思考を客観視できて、冷静に感情を捉えることができます。こうしてありのままの自分の気持ちを認めることで、「自分軸」が確立していきます。

ストレスに振り回されないコツは、「人との距離感」

人間関係のストレスに強くなるには、人との適度な距離感を保つことも重要です。

ストレスに弱い人は、いつの間にか相手と近くなりすぎて、自分が消耗してしまいします。相手と距離が近くなることで、自分の思い通りに動いてほしいという「依存」も強くなりがちなのですが、相手の気持ちは思っているほどコントロールできません。そこにストレスを感じて、相手に対して攻撃的になってしまうことも少なくありません。

人と上手な距離感を持つことは、自分の心にゆとりを持たせてくれます。ストレスに強い人の考え方や習慣をマネして、ぜひ疲れない心を手に入れてくださいね。
取材・文/工藤千秋 イラスト/地獄カレー