炭水化物、甘い物…。現代人が「糖質」をやめられない理由とは?

公開日:2019.11.11

更新日:2019.12.6

炭水化物、甘い物…。現代人が「糖質」をやめられない理由とは?

時間がないからと、ランチはパスタや丼などの一品ものですませる。小腹が空くから、おやつの甘い物は欠かせない。そんな現代人の食事は、思っている以上に「糖質」だらけです。なぜ私たちが、なかなか「糖質」をやめられないのか。アンチエイジングドクター・青木晃さんに教えていただきました。

つい手が伸びる甘い物…。「糖質」はなぜやめられないの?

ダイエットや健康のために「糖質」は控えめに、といった“糖質コントロール”がすっかり定着してきました。そもそも糖質とは、ごはんや麺・パンなどの炭水化物や、甘い物(砂糖)などに多く含まれる栄養素のこと。すばやくエネルギーに変換される糖質は、私たちにとって欠かせない栄養素です。しかし摂りすぎると、さまざまな病気や不調につながることが分かっています。

私たち人類が動物を捕まえて暮らしていた狩猟時代、糖質は簡単に手に入りませんでした。もちろん甘い物もありません。狩猟時代は、1年間でティースプーン20杯分のはちみつを摂れる程度。一方、日本を含む現代の先進国では、ティースプーン20杯の砂糖を、1日で摂ってしまうような生活だといわれています。

体はもともと、糖質が入ってこないと飢餓を警戒するスイッチが作動するようにできています。私たちの体には、700万年も前から「チャンスがあれば摂ってやろう」という、つねに糖質を求める“本能”が備わっています。だから、ついつい炭水化物や甘い物に手が伸び、そしてやめられないのです。
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「現代人の食生活は糖質が多い」と話す、アンチエイジングドクターの青木晃さん。

糖質には、「中毒性」「依存性」がある!

便利な文明社会に住む私たちは、ほとんどが糖質を過剰に口にしていると言っていいでしょう。実は糖質には、麻薬と同じような中毒性、依存性があるといわれています。麻薬を摂ったときに脳のMRIを撮影すると、脳のある部分が反応し、ハッピーな感情になっていることが分かります。

同じように白砂糖(糖質)を摂った後にMRIを撮影すると、似たような反応を示すことが分かっています。その現象から、糖質は「マイルドドラッグ」とも呼ばれたりします。便利になって簡単に食事を摂ることができる一方で、体が糖質に依存してしまっているのです。
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左から、ミートソースパスタ、スポーツドリンク、梨。
糖質量を角砂糖に置き換えると、こんな量に! 一皿分のパスタは、角砂糖18個分の糖質量にも……。

過剰な糖質摂取が、将来の病気・不調の元凶に

それでも年齢的に、まだ私は大丈夫。そう思っている人も多いことでしょう。糖質の過剰摂取による病気は、年齢問わす誰でも発症する可能性があります。

糖質の摂りすぎで血糖値が高い状態が続くと、糖尿病に。自分の体で糖を処理できなくなると、がんの死亡率は約3倍、脳卒中や心筋梗塞は約2倍、死亡率が上がることが分かっています。がん細胞の大好物はブドウ糖(糖質)。正常な細胞を1とすると、がん細胞は約6倍ブドウ糖を取り込みます。糖質の摂りすぎは、がん細胞にエサをあげているようなものです。

また、病気だけでなく、肌のくすみや疲れやすさにも関係し、骨や関節も糖の影響を受けます。「人生100年時代」といわれる現代。誰でも加齢によってさまざまな体の機能が衰えてきます。健康な体で長生きするためには、今から糖質を意識して食生活を見直すことをおすすめします。

5つの“糖質コントロール”で、体の中から健康に

ここまで過剰な糖質が与えるデメリットをご紹介してきましたが、糖質は決して“悪者”ではありません。体にとっては必要なもの。まったく摂らないのではなく、摂る量をコントロールしたり、糖が余らないように生活を工夫したりすることが大切です。糖質の誘惑が多い現代の食生活。糖質の吸収をおさえるサプリやドリンクなどを活用してもいいでしょう。

(1)「5色食べ」で、体内アンチエイジング

糖質に偏った食事は色数が少ないはずです。食事を選んだり作ったりするときに、食材の「白・黒・赤・緑・黄色」の5色のバランスを意識すると、ビタミン・ミネラルや抗酸化物質など、糖質以外の栄養素をバランスよく摂ることができます。ほかの栄養素も摂ることで、血糖値の上昇がゆるやかになります。

(2)「まごたちわやさしいな」を意識して食べる

バランス良くと言われても分かりづらいもの。「ま(まめ)・ご(ごま)・た(たまご)・ち(ちーず)・わ(わかめ)・や(やさい)・さ(さかな)・し(しいたけ<きのこ類>)・い(いも)・な(納豆)」を、1日の中で1回は食べるように心がけましょう。
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(3)「色つき食材」で血糖値をゆるやかに

精製された白い食材は糖質が高いことが多いため、選ぶときは白いものより“色つきのもの”と覚えてください。例えば、白米より雑穀米や玄米、うどんよりそば、白砂糖より茶色の砂糖を。糖質が低い食材は、食後の血糖値をゆるやかにします。

(4)半年に1度、「糖質断ち」を

糖質依存は3日あれば抜けられます。糖質まみれの体をいったんリセットするためには、半年に1度、3日間だけ糖質を摂るのをやめてみるのもおすすめです。野菜や肉・魚をメインにして、糖質が含まれていない食材で食事をするだけ。ただし、持病や健康に不安のある人は、無理せずかかりつけ医に相談を。

(5)有酸素運動で、糖質をエネルギーに変換

糖質を摂りすぎて体の中で糖が余ると、脂肪として蓄えられたり、老化物質に変性したりして、悪影響を及ぼします。運動をすると、糖はエネルギーとして使われるため、効率よく燃やすことができます。そのためには、ウォーキングなどの有酸素運動を。ひと駅前で降りて歩く、エスカレーターではなく階段を使うといった“ちりつも”運動でもOK。
このように日々の「糖質コントロール」が、体のアンチエイジングに。不調を寄せつけず、見た目も体の中も若々しくいるために、今日から始めてみてくださいね。

この記事の監修

青木 晃さん

銀座よしえクリニック都立大院院長。アンチエイジングドクター。「体の内側からのアンチエイジング」を専門としている。生活習慣病予防だけでなく、ダイエットや美容のための生活や食事についても、分かりやすくアドバイス。テレビや雑誌の監修ほか、著書多数。
イラスト/斉藤明子

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