この記事の監修
宮下宗三さん
今野枝履子さん
中国4千年の抗炎症パワーで風邪撃退!「大根のどシロップ」
大根は中国に伝わる『本草学』で、せきやたんを止める作用があるとして古くから薬膳料理に使われてきました。また、ハチミツは粘膜の炎症や痛みを抑える作用があると言われ、古代から口内炎の治療に用いられています。この2つを一緒に飲むことで抗炎症作用が倍増するため、のどにくる風邪にうってつけです。
のどにしっかり効かせるために、こんな飲み方を。
「江戸時代に書かれた『広恵済急方』には、〝そろそろと飲み下す〟という注意書きがあります。急いでゴクゴク飲むのではなく、シロップがのどを通過する時間が長くなるように、ゆっくりのどに通すのがポイントです」
大根のどシロップの作り方・使い方
大根…(厚さ1㎝の輪切り)1枚
ハチミツ…ティースプーン 3~4杯
(大さじ1杯〜1杯強 : 15〜20cc)
にじみ出た液をすくい、間を空けて少しずつこまめに飲む。
時間が経つとたくあんのような匂いがしてくるため、その日のうちに使い切って。
ラップをし、冷蔵庫で45分ほど寝かす。
(常温で寝かせてもOK、ただし冷蔵の方が匂いが気にならない)
粘膜の菌を追い出してスッキリ!「塩スパイスうがい」
「塩には、細菌の活動や生育に必要な水分を奪う作用が。そこに適切なスパイスを組み合わせることで、のどに付着した菌が洗い流されやすくなります。異物感を緩和したり、風邪の悪化を防ぐことができます」
のどの異物感を取り去りたい時は、ザラザラとした粗挽き胡椒で粘膜に付着した異物を排出します。風邪の予防や悪化を防ぐには、抗菌作用があるといわれるターメリックを。うがいをするうちに、たんも徐々に取れていきます。
「熱に弱い菌を追い出しやすくするために、冷えは風邪の大敵という意味でも、うがい液には40℃くらいのぬるま湯を使うのがおすすめです」
How to 塩スパイスうがい
ぬるま湯(40℃前後)に塩とスパイスを入れる。
ぬるま湯250㏄に対して、それぞれ小さじ1/2ずつが目安。
※1 塩は、ミネラルが豊富で体に優しい天然塩がおすすめ。
※2 ターメリックは色がつきやすいため、カップはガラス製がおすすめ。同じ理由でホーローや陶器のシンク上では行わないか、すぐにうがい液を水で洗い流して。
天然塩やスパイスは水に混ざりにくいので、こまめにかき混ぜながら口に含んで。
早め早めの手当てで、風邪は軽いうちに撃退しましょう。
(からだにいいこと2019年2月号より)