この記事の監修
遠藤 剛さん
えんどうクリニック院長。胃腸・肛門疾患を専門とし、日本でもめずらしい便秘外来を開始。便秘に関する数々の本や雑誌記事の監修を務める。
「でるでる足首つかみ」でねじれ腸を改善
病気予防、ダイエット、美肌に役立つ「腸活」は、美容と健康にいいことづくし! まずは、腸内環境を整える第一歩として、腸に溜まった老廃物を出すことが先決です。そこで試したいのが、便秘の原因になりやすい「ねじれ腸」の改善。「でるでる足首つかみ」で、腸のねじれを正して、快便を呼ぶ「でるでる腸」に変身させましょう。
便秘の8割は腸のねじれが原因
日本人にとても多い「ねじれ腸」。日本人の約8割は、「ねじれ腸」なのだとか。その理由は腸の長さにあります。
食物繊維を多く含み、消化に時間のかかる食生活を続けていた日本人は、欧米人より長い腸をもっています。その長い腸がお腹にギューギューにつまっているのですから、ねじれやすくなるのです。
腸がねじれた場所では便が完全に通過することができず、少しずつたまっていきます。たまった便の水分を腸が吸収するので、便は硬くなり、ますます便が出にくい状態に…。これが、頑固な便秘の要因です。
体をねじる・前傾で、便が出やすくなる
腸は柔らかいので、ツイストの要領で体を少しねじるだけで、簡単にねじれがゆるみます。同時に刺激を受けて、腸の動きも活発に。そのため、つまっていた便が運ばれて、だんだん出やすい状態に変化します。
前傾姿勢も排便には効果的。肛門の直前の腸は、便が簡単に出ないように、ふだんは直角の状態です。トイレでいきむときは、体を前傾させると、その角度がゆるやかになり、便が出やすくなります。トイレに座ったら、「ロダンの考える人」ポーズが、快便の秘訣!
「でるでる足首つかみ」で便秘解消!
トイレの便座に座って行う「でるでる足首つかみ」は、1ポーズで一石三鳥! まず、体をねじると、腸のねじれがゆがみます。そして、足首をつかむことで体が前傾し、排便しやすい姿勢に。さらに足首にある腸のツボを押すとことで効果アップ!
頑固な便秘を改善できるだけなく、ウエストのサイズダウンや美肌効果も期待できますね。ぜひ、排便タイムに試してみて。
1. 腰幅に足を開き、つま先立ちで座る
トイレの便座に座り、腰幅に足を開く。足の指で立つようにつま先を立てると、より便が出やすい角度に。
2. 体をひねり、足首をつかむ
体を前に倒し、背中をねじるように左手で右の足首をつかむ。そのまま5秒キープ。このとき、胃腸に効くツボ「三陰交」を押すとより効果がアップ! 反対側も行って。これを交互に3セット。
効果UP! 三陰交のツボ
「三陰交」は、内くるぶしの骨から指4本分上。スネの骨の側面にある。グッと押すと痛みを感じる場所。
排便タイムの1ポーズでお通じすっきり! 美容と健康のための腸活は、「でるでる腸」に改善することからスタートしましょう。
撮影/小野さやか イラスト/後藤知江
(からだにいいこと2016年12月号より)