いつまでも好奇心! 老いない心の作り方

公開日:2020.3.26

更新日:2020.7.30

いつまでも好奇心! 老いない心の作り方

急に老けこむ人がいるいっぽうで、いつまでも若々しく輝いている女性もいます。
その違いはどこにあるのでしょうか?
その秘訣は、いつでも好奇心いっぱいの “老いない心” にありました。
お二人の大先輩に倣いたい、柔らかな心を保つ毎日の暮らし方をお聞きしました。

おばあさんのなかには、現役の少女が生きています

田村セツコさん(81歳)

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白いブラウスにベスト、スカート、そして差し色のキャミソールをプラスするのが田村流おしゃれ。ツインテールと黒いリボンも定番です。「カラフルな服は着たことがなく、モノトーンが基本。ブラウスは2着。交互に着ています」。
1938(昭和13)年、東京生まれ。イラストレーター。銀行員を経てイラストの道へ。60年代から少女漫画の表紙などで活躍。
近著『HAPPYおばさんのしあわせな暮らし方(興陽館)』の他、「孤独をたのしむ本」「おちゃめな老後」「おしゃれなおばあさんになる本」など、著書も多数。
人生のピークは “今”! 毎日が “魔法の脳トレ”に
80歳を過ぎましたが、ずっとひとり暮らしをしています。毎日の食事、掃除や洗濯も、人の手を借りずに自分でやっています。我が家は洗濯機がなく、衣類は手洗い。シーツなどの大物は、バスタブにつけて踏み洗いします。ワイン作りの葡萄踏みみたいでしょ? 不便だなんて思いません。風流だわ、と楽しんでいます。足腰も鍛えられて一石二鳥。ジムに行かずにストレッチできる家事は、自分でやるほうがお得です。そのかいあって、とても健康で、保険証を使う機会がありません(笑)。
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健康で気をつけているのは、正しい姿勢と呼吸。息を意識しながら家事したり好きな曲を歌ったり。自然に腹式呼吸になる歌はいいです。私は落ち込んだ時にあえて歌って、気分を変えています。
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1975年の創刊当時から連載を続ける『いちご新聞』。サンリオとともに“セツコグッズ”は、70年代のブームになり、現在も根強い人気が。
手描きメモが私の親友で、心のカウンセラーにも!
「寂しくないですか?」と心配されることも多いけれど、全然! 私には自分を客観的に見て、ときに苦言を呈する “もうひとりの自分”、そして “メモ” という大親友がいますから。その日にあったこと、ひらめきをどんどん書いていく。悩みも人に愚痴を言うのではなく、メモに話しかけます。そのほうが簡単だし、書いていると、心が落ち着いてくる。メモはカウンセラーでもあるわけです。名言やお気に入りのフレーズは、メモして持ち歩いています。 “困った時は脳が喜ぶ!!” “すべては脳トレ、筋トレ” とか(笑)。
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いつも持ち歩く愛用のトランクには、ひらめきを綴ったメモがいっぱい!
貧しい時代に育ったこともあり、私はいつも、今が一番と思っています。人生のピークは “今”。
この歳になって気づいたんですが、物語に出てくる魔法使いのおばあさんの “魔法” は “経験” に置き換えられるんです。若い人にはそれが魔法のつえのように見えるのね。

魔法使いのおばあさんの心には、実は現役の少女も住んでいます。私は少女の気持ちのまま気ままに、かっこよく言えば、そよ風のように生きていきたいと思っています。

田村セツコさん 直伝 “老いない心” をつくる3つの秘訣

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新しい事につぎつぎ挑戦! つい、歳を忘れています

鮫島純子さん(97歳)

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1922(大正11)年、東京生まれ。エッセイスト。最新刊の『97歳、幸せな超ポジティブ生活』(三笠書房)が話題を呼んでいる。祖父は2024年から新一万円札の顔になる実業家の渋沢栄一。
マイナスの出来事もプラスに変える心の習慣を 
気がついたら97歳になっていました。お目にかかる方には、決まって 「お元気ですね」と言われます。
でも、いつまでも若々しくいたいというような気持ちはないのですが、些細なことで一喜一憂しない自分でいたいと思っています。 “人生の仕組み” を知ると、心は揺れませんから。

子育てをしていた頃の私は、よそのお子さんにできることがうちの子にはできないとか、羨望や卑下慢※の気持ちで嫌なことを誰かのせいにしたりすることがありました。

母親としてこれではいけないと近所のキリスト教会に通い、マイナスの出来事もプラスに変える心の習慣を身につけようと思いました。それが、 “感謝の気持ち” を言葉に表すことでした。

※卑下慢(ひげまん):仏教用語で、表面はへりくだっているようでありながら、実際は自慢をしていること。謙虚な自分にうぬぼれている様。
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20年前、外出できない病床の夫に、その時々の若者のファッションや流行など、外の様子を教えるために描いた水墨画。周りの方にも好評で、お礼に贈り物として差し上げたりも。後にそれらを巻物にした。
“人生の仕組み” を知ると、心は揺れません
今の私は、“当たり前のこと” と思い違いしていることにも感謝しています。水への感謝、空気への感謝、歩けることへの感謝――なんてありがたいんだろうと思いながら歩いています。眠れることにも、朝がくることにも、食事を美味しくいただけることにも、排泄があることにも「ありがたい」と思えるようになりました。そう思うことで、嫌なことや暗い気持ちも消えます。

つらいことがあったときは、この体験が自分を成長させてくれるのだと思い、感謝します。ネガティブな感情が心にあると前向きになれませんから。
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鮫島さんが80歳で始めた社交ダンス。発表会の1枚。パートナーになるのは自分の息子くらいの歳の男性ばかり。背筋を伸ばし、ピンクのドレスで華やかに舞う純子さんに周囲の目は釘づけ。
私は67歳のときに水墨画を、80歳で社交ダンスを、95歳でヨガを習い始めました。いつもポジティブな心で、どんなことでも面白がることも大切です。新しい出会いや発見があって、私より若い方たちと接していると、自分が歳を取っていることも忘れてしまっています。

鮫島純子さん 直伝 “老いない心”をつくる3つの秘訣

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撮影/神尾典行 古谷利幸(F-REXon)
(からだにいいこと2020年3月号より)