薬剤師が解説 便秘をがまんしてはいけない理由

公開日:2018.11.3

更新日:2018.11.20

薬剤師が解説 便秘をがまんしてはいけない理由

便秘はお腹に不快感があり、気分もイライラしますね。でもそれ以上に怖いのが、たまった便から毒が発生すること。毒は全身にまわり、不調だけでなくあらゆる病気の引き金になります。
便秘をがまんしてはいけない理由について、薬剤師・矢城明さんのくわしい解説をお届けします!

ため込み便は毒になって全身をめぐる

毎日、私たちは食べ物から栄養をとっていますが、同時に体に不必要な老廃物も生み出しています。発生したばかりの老廃物はほとんど無害。そのため、便ですみやかに排出すれば、体に悪影響を与えません。しかし、便秘で長時間老廃物を体内にため込むと、毒素を発生させて、血液に取り込まれて全身をめぐり、さまざまな不調が発生します。たまった便が健康をむしばむメカニズムを順番に説明します。

1 食べ物の栄養を吸収したあと、老廃物ができる

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食べ物は体内に入ったあと、分解されて吸収されます。これらの栄養素は、代謝されて体を動かすエネルギー源になったり、筋肉などの体をつくる材料に。そして、この過程でできる不要なものが老廃物となります。

2 便がたまると老廃物が体の中で毒に変わる

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不規則な食生活やストレスなどが原因で便秘になると、長時間、老廃物を便から排出できません。すると、老廃物が体内の窒素や硫黄などと結合し、インドール、スカトールなどといった毒素を発生させます。

3 細胞が炎症を起こして臓器が弱る

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毒素は体内に長く留まるほど、濃度がアップします。そして血液に取り込まれて全身をめぐり、あらゆる場所の細胞を攻撃。細胞が炎症を起こし、周辺の臓器の機能が低下します。すると毒素に対する抵抗力も弱まり、よりダメージを受けやすくなるという悪循環に。

4 さまざまな不調が発生!

臓器の機能が低下して本来の働きができなくなると、体にさまざまな悪影響を及ぼします。
不定愁訴やめまい、うつ、不眠など。また、腎臓に運ばれた毒素が悪さをすれば腎臓病の、肝臓ならば肝臓病の、血管内なら血液疾患などの引き金になることも。

便をためずにだせば、不調は改善する!

毒素の発生を防ぐには、老廃物を体外へと排出するまでの循環を速めることが大切です。つまり快便であれば、毒素がたまることがないのです。たとえ毒素が生まれても、スピーディーに体から追い出せるので、病気を初期段階で防ぐことが可能に。だるい、頭が痛いなどのなんとなく体調が悪いといった不調なら8割は改善します。

便意をガマンしないことはもちろん、食べ物や運動などちょっとしたコツで快便体質になります。毒のたまりにくい体を目指しましょう!

この記事の監修

矢城 明さん

私立大学薬学部客員教授。薬剤師。外資系製薬会社に約20年勤務し、新薬開発に携わる。薬と老廃物代謝のエキスパート。著書に『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』(サンマーク出版 ¥1,404)。

現在、薬剤師向けの機関誌「IPSPニュースレター」(実務薬学総合研究所刊)にて「矢城教授のワイン談義」というコラムを連載中。


イラスト/コウゼンアヤコ
(からだにいいこと2017年3月号より)