空腹でないのにお腹がすく、という“ニセ食欲”。その原因は、自律神経とホルモンバランスの乱れです。自律神経の働きを調節し、ホルモン分泌を司るのが脳の視床下部ですが、自律神経もホルモン分泌も乱れがちなアラフォー以降、視床下部はオーバーワーク状態になり、食欲コントロールはおろそかに。でも、ニセ食欲を放置すると、みるみる太ってしまい、代謝が落ちた年齢ではダイエットもひと苦労。ニセ食欲を撃退する、手軽でちょっとユニークなケアをご紹介します。
この記事の監修
藤野良孝さん
オノマトペ研究家。朝日大学保健医療学部准教授・早稲田大学国際情報通信研究センター研究員。著書に『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』(青春出版社¥1,080)
和田清香さん
ダイエットエキスパート。300種類以上のダイエット経験から、健康的なメソッドを提案。著書に『着圧肺ウエストレギンス入浴で脚・おなか・ヒップやせ』(主婦の友社¥1,620)他
「オノマトペ」で脳に強くイメージさせて、食欲をコントロール
オノマトペとは、音や状態を表す擬音語や擬態語のこと。イメージが脳にストレートに伝わります。食べたい気持ちが抑えられないときなど、ぴったりのオノマトペを声に出すとムダ食いが防げます。
●ストレスでドカ食いしそうなとき「ニ~ッ」
口角が上がって笑顔になり脳は幸せと認識し、リラックス・ホルモンのセロトニンを分泌。気持ちが穏やかになります。
●食べ続けるのをやめられないとき「カチッ。」
●お菓子に手が伸びそうなとき「グ~ッ」
●早食いのクセを直したいとき「モグモグ」
●ガンコなムダ食いグセに「ブヨブヨ」
「レギンス入浴」や「吐き集中呼吸」などリラックス生活習慣で自律神経メンテ
自律神経を整える、いちばんのメンテナンス法はリラックス。おすすめは入浴や呼吸などにひと工夫すること。レギンス入浴は、裸に着圧タイプのレギンスを身につけ、湯船に入る方法。風呂の水圧にレギンスの着圧が加わり、血流を一気に促進。自律神経をすばやく、効率よく整えます。また、呼吸が浅いと体が酸素不足に陥り、自律神経がさらに乱れます。“吐く”に集中した複式呼吸を時々行って、酸素をチャージしましょう。
「泣いて」緊張をゆるめ、「乾布摩擦」で自律神経を調整
泣くという行為には緊張状態をゆるめ、副交感神経を優位にする働きが。さらに涙を流すことで鎮静作用を持つ脳内ホルモン、エンドロフィンの分泌も増加。休日は心にしみる本や映画で思い切り泣きましょう。自律神経の調整には、皮膚を刺激する乾布摩擦もおすすめ。乾いた柔らかい布でお腹は時計回り、その他のパーツは内から外、上から下へ5回ずつこすります。薄い服の上からでも効果的なので、すきま時間に行って。
ニセ食欲に打ち克って、ダイエット知らずの体質になっちゃいましょう!
イラストレーション/kuma*kuma
(からだにいいこと2016年2月号より)