ぜい肉・冷えを撃退!「筋肉」がすごい理由

公開日:2018.11.4

更新日:2018.11.5

ぜい肉・冷えを撃退!「筋肉」がすごい理由

年齢を重ねるとともに、太りやすくヤセにくくなってしまったと悩んでいる人は多いですよね。そればかりか疲れやすい、すっきりしない、体が重くてだるいと感じている人もいるでしょう。そんな悩みを解決するポイントが「筋肉」!

筋肉は体や内臓を動かすバネのような役割がありますが、もうひとつ、意外と盲点になっている大切な役目があります。それが「体に熱を生み出すこと」です。実に体の全熱産生量の6割を筋肉で生み出しています。燃料は糖質や脂質。つまり筋肉がしっかり働いてくれれば、脂肪という燃料は燃えやすく、ヤセやすくなります。さらに冷え解消や免疫力アップにも効果を発揮します。

筋肉が1㎏増えると1年で2.5㎏の脂肪が燃える!

筋肉は脂肪を材料にして熱を生み出すため、筋肉が多いほど脂肪を多く燃やせます。たとえば筋肉が1㎏増えると1日あたりのカロリー消費は50kcal多くなるので、1年のスパンでみれば、2.5㎏もの脂肪が減ることに! ただ筋肉が増えるだけ、日常生活を送るだけでこれだけ脂肪燃焼ができる計算です。
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安静時代謝とは、安静にしている状態で消費されるエネルギーのことで、ほぼ基礎代謝量に相当。安静時代謝は除脂肪量(ほぼ筋肉量に相当)に比例し、筋肉が多くなるほど代謝量も増加します。

姿勢がよくなるのでますます脂肪燃焼が進む!

また筋肉が増えると、お腹が引き締まったり、お尻の位置が引き上がったりしてメリハリボディになる効果も。つまり筋肉が増えれば、姿勢が美しくなり、筋肉をしっかり使えるようになり、ますます脂肪燃焼が進むという良い循環が生まれます。逆に筋肉が少ないと、姿勢が崩れて筋肉がこり固まってしまい、ますます太りやすくなるという悪循環につながります。

冷え解消&免疫力を高める効果も

筋肉は熱を生み出し、体温を維持しています。たとえば寒いときに体がぶるっと震えるのは、筋肉が自ら体を震わせて熱を出し、体温を維持しようとしているから。また血液を全身にめぐらせ、ポンプのように心臓に血液を戻すのも筋肉。このため筋肉量を増やすことで、冷えやむくみなどの不調を根本から改善する効果が期待できます。

筋肉を増やすことは免疫力アップにもつながります。体内に侵入したウィルスや細菌に対抗する免疫を司る細胞は、37度くらいで活発に働くため、体温の維持が病気予防には不可欠。35度台の低体温の人、冷えに悩まされている人は、生活や食事の見直しとともに、筋肉を増やすことも必要なのです。

筋肉を増やすには、「手を押し合わせる」静かな動きを習慣に

筋肉を増やす、というと辛い筋トレや地道なエクササイズを思い浮かべるかもしれませんが、そんなことをしなくても、筋肉を維持したり、増やしたりできます。たとえば腕で壁を押す、手と手を押し合うなどの静かな動作でも筋肉量はアップ。
これは「アイソメトリックス」と呼ばれ、宇宙飛行士やF1レーサーなど狭い場所で筋肉維持が必要な人たちの間でも活用されています。
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こうした静かな動作のほかにも、できれば週1度、体を大きく動かす運動を趣味にして続けることもおすすめ。

「もう若くないから、今さら鍛えるのはツラい」と思わないで。20代でも80代でも、年齢に関係なく思い立ったときから筋肉は増やせます。イキイキとした肥満知らずの体を維持するために、筋肉を意識した生活を送りたいですね。

この記事の監修

石井直方さん

東京大学教授・スポーツ先端科学研究拠点拠点長。専門は筋生 理学、身体運動学。著書に『石井直方の筋肉の科学ハンディ版』(ベースボール・マガジン社 ¥1,512)他多数。

イラスト/きくちりえ
(からだにいいこと2018年3月号より)